Le temps perdu – Jacques Prévert
Devant la porte de l’usine
工場の扉の前で
le travailleur soudain s’arrête
その労働者は突然立ち止まる
le beau temps l’a tiré par la veste
晴天が彼のジャケットを掴んだのだ
et comme il se retourne
彼は振り返り
et regarde le soleil
太陽を見る
tout rouge tout rond
赤くて丸く
souriant dans son ciel de plomb
鉛色の空で微笑む太陽が
il cligne de l’oeil
ウインクをした
familièrement
親しげに
Dis donc camarade Soleil
なあ君、太陽よ
tu ne trouves pas
こんな一日を
que c’est plutôt con
上司にくれてやるなんて
de donner une journée pareille
バカだとは
à un patron ?
思わんかね?
プルーストの名作と同じタイトルですが、ポップでかわいらしい詩だと思います。いつも通り仕事場に入ろうとしたその時、ふとサボってしまおうと、そんな気持ちが出てきてしまう。誰でも共感できて、フランス語的にもとっても分かりやすいです。彼の詩は結構読みやすいものが多いです。
いい天気で太陽も出ているのに「ciel de plomb」なのがちょっと謎なのですが、なんとなくplombとusineが関連しているような気もします。「Dis donc camarade Soleil」のところが特に好きです。「Dis donc」、ちょっと起こった時や不満があるときに使えるこの表現と共に、le travailleurの心情が読み取れます。
また「une journée pareille」は「こんな一日」と訳せますが、それについてよく覚えているエピソードがあります。留学していた時、フランス人の友人から夜中に「Que fais-tu à une heure pareille ?」というチャットが送られてきて「une heure pareille ? 同じ1時…とは??」と思って返信したら「Non non, je te demande ce que tu fais encore debout à cette heure.(この時間に起きて何をしてるのかって聞いてるの)」と返ってきました。pareil=同じという意味の形容詞ですが、「こんな」という意味もあるのを学んだ遠い日のチャットでした。
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