パリで絶対に必要なメトロ・バス・RERなどの交通機関ですが、これが私的にはなかなか分かりにくいなあとこちらに来て思いました。メトロとRERの乗り換えは可能だけどメトロとバスの乗り換えはダメとか、ゾーンがどうとか、そして何よりSuicaやICOCAにあたるNavigoに種類が多すぎて結構混乱したので、まとめてみました。私なりにまとめただけなので間違っていたらすみません。
交通機関の種類
- Métro
いわゆる地下鉄ですね。14路線あって、名前が数字であり且つ色分けもされているのでかなり分かりやすいと思います。よく「ゾーン」と聞きますが、パリのメトロはすべてゾーン1に入っている(とされている)ので、メトロは端から端まで乗っても一駅だけ乗っても一律料金です。乗り換えももちろん改札を出ずにでき、基本的に乗るときにだけピッとする形です。降りるときはゲートを通るのみです。これだけ乗るなら何もややこしいことはありません。
- Bus
今回わたしがめっちゃ便利やんと発見したのがバスです。バスって当たり前ですがメトロに比べて家の近くまで運んでくれるので夜も歩く距離を減らせるし、意外とバスという選択肢をとるのもありだなあと思います。パリ市内なら数字が2桁、パリ市外なら数字が3桁のバスの番号になっています。こちらも普通のバスについては一律料金のはずです。ひとつ不便なのは、メトロとバスは料金そのままに乗り換え、ということができないので、メトロとバスを乗り継ぐ場合は2度一律料金を払わないといけないことですね。ただしバス間の乗り換えは可能です。1つ目のバスに乗るときにピッとしますが、そこから90分以内に2つ目のバスに乗ってピッとした場合、消費されるのは1枚のチケットのみなので、バス→バスで乗り継いでいくとバス→メトロなどをするよりお得です。
- Tramway
13線あるトラム=路面電車はパリの外枠というか、環状線沿いを走っていることが多いようです。中心に向かっていくメトロに比べて円周を走るイメージなので、円周上の点から近めの点へ移動したければ便利。なはず。バスと同じように乗車してからピッとします。トラムはトラム同士、もしくはバスとなら乗り換えが可能のよう。なのでトラム→メトロと乗ると2回分料金がかかることになります。
- RER
こいつがなんかいろんなものを面倒にしている気がします。AからEの5線あり、パリ市内と郊外(たとえば空港、ベルサイユ、ディズニーなど)をつなぐ電車です。市内と郊外を結ぶといっても、市内も普通に走っているので、感覚としてはめっちゃ遠くまで伸びたメトロという感じですね。まあほとんど地下を走っていないのでもちろん厳密にはメトロではないのですが。なので、市内を移動するのに使うのであればメトロと同じように使えます。市内間ならメトロ→RER(もちろん逆も然り)の乗り換えは1回分のチケットで可能です。例えば凱旋門の駅にもRERのA線が通っているので、近くのメトロの駅からメトロに乗って、RERに乗り換えてそこまで行く、という感じ。
ただし、空港やベルサイユ、ディズニーに行こうと思うとゾーン1(パリ市内)から出るので、その場合は日本で切符を買うように、「どこからどこまででいくら」と決まっています。これが面倒なわけです。
Navigoの種類
- Passe Navigo Easy
これがわたしが一番最初に買ったものです。もうほぼただの厚紙なのですが(そうじゃないちゃんとしたカードのものもあるみたいですね!)、これは「ticket+=市内一律料金の1回分のチケット」を何枚も入れて置けるカードという感じです。日本のICカードのように3,000円分チャージ、ではなく、切符何枚分チャージというところがポイントですね。
駅の窓口か大きい駅なら機械でも買えるようです。必要なものは2€のみ、これがカード発行手数料で、あとは欲しい分だけチケットをチャージすることができます。1枚買うと2,15€ですが、10枚つづりで買うと17,35€(2024年春現在)なので、10枚つづりで買ってなくなったらチャージ、とすることができます。チャージも機械や窓口でできるはずですが、アプリを入れればアプリでできるので(マイナポータルログインの時みたいに携帯にカードをかざすとチャージできる)かなり便利です。バスに乗る前に「あっチャージもうなかった!」となってもその場で買えますね。ticket+以外にも、1日券、1週間券も買うことができます。ただし1か月券や、先述のRERの「ここからここまで」チケットはこれでは買うことができません。不便。
- Passe Navigo
住人たちは厚紙のナビゴイージーではなく、ICOCAのようなちゃんとしたカードを持っているのですが、それが基本的にこのパスナビゴのはずです。パスナビゴにも色々種類があってそこがややこしいのですが、なんとなくわかった気がするのでまとめてみると…
Navigo Liberté
これがなんとなく日本人の想像するICカードっぽくて、好きなだけこれを使って乗れるのですが、チャージ方式ではなく使った分だけ後払い方式です。そのためフランスで銀行口座を持っている必要があります。1日の乗車金額が1日フリー券以上の値段になったらその値段でストップしてくれるらしい、です。便利だろうなと思いますが、口座が必要なのがネックですね。旅行者はもちろん、わたしも口座を開く予定がなかったのでこのために作るのもなあ、というところでした。
Navigo forfait (jour, semaine, mois)
1日、1週間、1月乗り放題パックですね。リベルテと違ってこちらは前払いになるので、銀行口座が必要ない!というところがいい点です。窓口などに顔写真を持っていけば買えるはずなのですが、一応Passe Navigoは居住者向けとなっているので、口座はなくても住所などは必要なのかな?買ってないので色々不明です。なぜ買っていないかと言うとアプリでいいやん!となったからなので、アプリの話はこの後します。
ちなみにこれはいろんなサイトで説明されていますが、1週乗り放題のパックの場合、月曜開始と決まっているので旅行者にはそこがネックになることもありえますね。1月の方ももちろん?月初からになります。前月の20日から購入可能なようです。
- Navigo Découverte
こちらも1日、1週、1月乗り放題パックが買えるの、一応居住者だけでないすべての人に向けたカードです。が、カードの購入に5€するし、後述のアプリで同じことができるので、これの存在意義がわたしはよく分かっていません…
- Application Île-de-France Mobilités
このアプリを入れると、前述のNavigo easyのチャージができたり、Navigo easyの残数を確認したり、更にはスマホをそのままPasse Navigoにすることができます。モバイルSuicaみたいな感じです。ただ現在のところAndroidのみでしかできないみたいですね。そろそろiPhoneも使えるようになるとかならないとか…
なのでAndroidならNavigo easyですら実は必要なかったです。アプリ上で10枚つづりのcarnetを買ってもいいし、1月乗り放題パック=Navigo moisを買うこともできます。
アプリ上で個人情報の登録や乗り放題パックを買うときは顔写真の登録が必要ですが、特に住所なども求められません。メトロに乗るときなど、いちいちNavigo easyを出すために財布を出すのが防犯の点で気になっていたのですが、スマホなら持ち物も減って防犯の面でもまだ安心なので便利だと思います。
料金
これはいろんなサイト見ていても値上げでかなり値段が変わっているので自分が行くときに確認するのが一番ですが、2024年春時点で…
種類 | 料金 | 1€=165円換算 | ゾーン | |
Carnet 10 Ticket+ | 17,35€ | 2,862円 | 10枚つづり | × |
Navigo Jour | 8,65€ | 1,428円 | 5回分の料金 | 2 zones |
Navigo Semaine | 30,75€ | 5,038円 | 週18回以上乗るならお得? | Zone1-5 |
Navigo Mois | 86,40€ | 14,256円 | 月50回以上乗るならお得? | Zone1-5 |
Navigo Annuel | 950,40€ | 156,816円 | 年550回以上乗るならお得? | Zone1-5 |
ちなみにNavigo Annuelは「月86,40€で12か月目が無料」なので12か月いないならもったいないですね。
わたしは最初の1か月ちょっとはNavigo easyでcarnetを買っていたのですが、2か月目からNavigo moisを買いました。その理由は。
月50回ってことは往復で2回使うと考えて月25日は外出しないといけないということか、と思い、外に働きに行っているわけでもないのでそんなにいらんか、と初めは思ったのですが、このNavigo moisは「Zone1-5」というところがポイントでした。Zone5にあたるディズニーランドパリ(DLP)までは片道5€なのですが、パリ市内もしくは近郊からDLPまでの10枚つづりのcarnetを買うと片道4€になります。週一で行けば32€、そしてDLPに行くにはわたしは必ずバスに乗るので、週一でDLPに行くとすると1月パックの残りは40€、20回乗れば元が取れるということになります。3日に1回外出すればいい計算で、せっかくパリにいるのだからそれぐらいのペースで出かけられたらいいなあと思いNavigo moisにしてみました。正直1月目はnavigo moisを買った方がお得なくらい外に出ていたし、これがあれば気軽に食料品の買い出しなど短距離でもバスに乗れるし、買ってみることにしたわけです。そうなのです、わたしはほぼ週一でディズニーランドに行っています…
2つ目の理由として、DLPまでのcarnetを買うと紙の切符を10枚もらえるのですが、これがもーーーーーーーーーうめちゃくちゃ磁気に弱くて、昔からそうだったんでしょうか?確かに思い返せば、昔はパリ市内の移動のcarnetも紙で買えたのですが(今は廃止されようとしている)、改札が読み込んでくれないということがあったような気も… 改札に入れると「ticket illisible=読み取れないチケット」と出てくるので、その度に窓口にいって「ça ne marche pas…」と言い、「鍵、スマホ、カードなどと一緒に持たないように~」と言われるのですが、どこに入れろっちゅーねんと言いたくなります。一度言われてからはスマホに近づけて持たないようにしてはいますが(カバーに挟むとかもってのほか)、同じカバンの中に鍵もクレジットカードもそりゃあ入っているので、無茶言わないでくれ…というところではありました。Navigo moisを買えばこの不便さもなくなるかなと思うとそれもアリかなあと。
3つ目の理由として、わたしは歩いて5分くらいのところにある一番の最寄駅がRERなのですが、パリ市外に住んでいるのでゾーン3のRERの駅なわけです。15分弱歩けばメトロがあるのですが、先述の通りメトロはゾーンが関係ないので普通にcarnetを使って乗ることができるのですが、RERの方はゾーンを跨いだ移動になるためいちいちチケットを買う必要があります。しかもそれはアプリなどでは買えないので機械で買わなければいけず、高い&面倒でRERに乗らず、ちょっと遠くのメトロまで毎回歩いてパリ市内まで出ていました。が、Navigo moisがあればゾーン1-5の移動が可能なわけなので、RERも気にせず乗れるというわけで、それも一つの理由でした。
ちなみにゾーン1-5だとDLPはもちろん、CDG空港、ヴェルサイユ、フォンテーヌブロー城などなど…パリ近郊?というか結構遠いところでも入っているので、かなりいろいろなところに行けます。わたしもフォンテーヌブローに4月に行こうと思っていたのですが、Navigo moisがあれば追加料金なしで行けると分かって5月に行くことにしました。
あとはNavigo mois/annéeを持っていると美術館や映画館の料金が割引されることがあるらしいです。サイトに適用対象施設が載っています。例えばフォンテーヌブロー城も載っているのですが、逆にフォンテーヌブロー城のサイトには記載がなく、ちょっとよく分かりません。行く前にNavigoのページで調べて、その施設で本当に割引可能か確認するのが良さそうですね。
ちなみに7月20日から9月8日のオリンピック・パラリンピック期間はticketが2倍の4€ほどになるそうです。激ヒド。passeを買ってもらうためとかメトロを使わせないためとかなんか色々あるそうですが、1か月パックで買うとその影響は受けないようです。観光客に4€払わせるのはまだ理解できますが、地元民まで影響を受けるのはなかなかひどい話だなあと思います。
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