洗礼式に行ってきました!

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今回はフランス人の友人の息子の洗礼式に招待してもらい、週末をフランス人だらけのところで過ごしたので、フランス人の家族の集いがどんな感じかレポしてみようと思います。

そもそも洗礼式とは?

友人Cちゃんはわたしの初めてのフランス人の友達で、2012年2月に出会ったのでもう12年以上の仲です。日本語を勉強していた子なので、日本に留学していた時に京都で一緒に着物を着て歩いたり、わたしがフランスに留学中にクリスマスに家に呼んでもらって一緒にクリスマスを過ごしたり。そんな彼女が昨年11月に男の子を産んで、今は息子MくんとそのパパMさんと一緒に暮らしています。CちゃんMさんは結婚してはいないので結婚式ももちろんしていなくて、「だから、というわけじゃないんだけど」と彼女は言っていましたが、結婚パーティーと比べると少し安いかな?というレベルにはそれなりに費用のかかる(らしい)規模のbaptêmeをすることに決めたようです。

Baptêmeは日本語で洗礼と訳され、カトリックの儀式の一つです。キリスト教への入信の儀式で、ヨハネがイエスを川に沈めて洗礼したように、教会で聖職者が入信する人を体ごと水に入れる、もしくは頭に水をかけることで洗礼します。また、幼児の洗礼の場合は保護者が選んだ男性1人と女性1人が代父母になります。フランス語では男性はle parrain、女性はla marraineですね。幼児の両親に何かあったときに後見人としてその子の面倒を見る、ハリーポッターにとってのシリウスブラックがまさにそれですね!

Cちゃんはカトリックの家に生まれましたが、今やご両親もCちゃんも別に信心深いわけではなく、パパのMさんはプロテスタントらしいですが、こちらも同じくだと思います。が、洗礼式を行うこと自体は特別珍しいわけでもないと思います。一緒に出席したChちゃんは洗礼式の出席は初めてと言っていましたが、同じく一緒に出席した友達のMちゃんは何度か行ったことがあるとのことでした。

今回の日程は、土曜の14時から教会で洗礼式、その後別の場所にある多目的ルームみたいなところでパーティー、日曜は11時から同じ多目的ルールでブランチ、ということでした。私は同じくパリ近郊に住んでいるChちゃんと一緒に金曜の夜にTGVで南仏まで向かいました。Chちゃんは今回の主役のママCちゃんと当時同じ大学に通っていて、わたしも10年ほど前から知っている子。そして2人の同級生のMちゃんと3人で出席、こちらのMちゃんもわたしはCちゃんと同じタイミングの12年前に知り合っています。あったのは10年ぶりぐらいでした。

フランス人家族とgîteに宿泊

以前Cちゃんの家を訪れたときは、家に泊めてもらいましたが、今回はいろんな人が来ているのでgîteと呼ばれる宿泊施設を借りてそこにみんなで泊まりました。gîteとは田舎にあって、週末やバカンスのために貸し出される一軒家という感じでしょうか?今風に言えば一軒貸しのAirBですね。ちなみに総額いくらだったのかは分かりませんが、40€お願いと言われたのでそれだけお支払いしました。

今回このgîteに泊まっていたのは総勢10名。前述のChちゃんMちゃんCちゃんのご両親、Cちゃん家族と仲良しのAさん(82歳!)、Cちゃんのparrainとmarraine(後見人はカップルである必要は全くないですが、このお二人はご夫婦)、その娘Fちゃん(26歳くらい)、その旦那さんDさん(48歳くらい、年の差カップル!)とわたしの10人です。

TGVで駅にChちゃんと到着し、レンタカーを借りていたので駅の駐車場でレンタカーをピックアップして、先に着いていたMちゃんを拾いgîteに向かいました。到着するともうだいぶ前に着いていてお酒も入って盛り上がった7名がいて、順番に挨拶とビズをしていきました。わたしはCちゃんのご両親には何度も会っていて、82歳のAさんにもCちゃんの実家にお邪魔したタイミングで会ったことがありました。Cちゃんの後見人夫婦の娘のFちゃんに「待ってわたしたちめっちゃ前に会ってるよ」と言われ写真を見てみると12年前に確かにCちゃんを通じて会っていましたがもちろん記憶はなく…笑 彼女の旦那さんとご両親とはここで初めて会いました。ビズをしながら名前を言いますがもちろんそんなんでは覚えられないし、最初は「あなたは誰の何…?」となるので、あとの会話で少しずつ理解していく必要があります。笑

gîteには6つくらい寝室があって、わたしはChちゃんMちゃんと一緒に4つベッドがある寝室で寝ました。荷物を置いて少し休んで、他の7人が盛り上がっているリビングへ入ると、「Maho ! Tu veux du vin ? Du rosé ?(ワイン飲む?ロゼは?)」と訊かれ「Non merci(大丈夫です)」とにこやかに断ると「T’es sûre ?(ホントに?いいの??)」と少し食い下がられつつ、みなさんが話している輪に入っていきました。

いやあ久々にこれだけ多く(9名)の(お酒が入った)フランス人が集う場に行きましたが本当に本当に本当に本当にず~~~~~~~~~~~っとしゃべっていて面白いです。改めて、本当に喋るのが好きだなあと思ったし、そんであんまり相手の話は聞いてないんですよね。聞いてるとしたら自分がその後に話すためなんですよね。笑 もちろんお酒が入っていたからというのもありますが、CちゃんのパパとCちゃんのparrain(Cちゃんの両親が娘の後見人に選ぶくらいなのでかなり仲良し、40年の付き合いだと言ってました)が「Cちゃんパパが買った家があまりにも安すぎるので絶対に何かがおかしい」という話題について「いやおかしい」「そんなことはない、俺だって家を買うのは2回目なんだから家の買い方くらい分かってる」「そんなわけがない、結局工事で多大な費用がかかる」みたいな応酬をず~っと繰り返していました。しかも結構マジで怒ってそうに聞こえるトーンでしっかり言い合ってるんですよね。

なんか日本人だったら「我々は同意できそうにないな」と思うとどこかで会話を諦めるというか「いやそんなことないと思うけどなあ~(でもどうにも同意に至らなそうだからここまでにしよう)」でどこかで一旦会話が終わりそうなもんですが、そうでないのがフランス人らしいなあと私は思います。政治の話とかでも絶対に思想的に相容れなそうな兄弟がお互いの意見を主張しあっているのを見たときも思いましたが、別に相手を説得するために反論しているのではなく、自分の意見を言うのがとにかく大事で別に同意に至るかどうかなんて考えてないんだろうなあと。

もちろん「今はね彼が買った家が安すぎておかしいという話をしてるんだよ」などと説明してくれるわけではないので「いったいこの人たちはこんなにアツく何を話してるんだろう?」というところから入って頑張って話を理解する必要があります。笑 あとは1人だけが喋ってる時間というのがなくて、絶対に誰かが誰かにかぶせて話したり、あっちとこっちで別の会話が起こってたり、とにかくにぎやかでした。Chちゃんが「Ça, ça m’avait manqué.(こういうの久しぶりで嬉しい)」と言っていたのも面白かったです。フランス文化だなあとしみじみ。

わたしたち3人が入っていった後は出会いがないという女子たちにおじさんたちが「アプリでの出会いはよくない」みたいな話をし始め(そっから最終的にかなり飛躍してましたが)、酔っ払いおじさんのする話は万国共通だなあ~と。笑 「日本で有名なフランスの歌手って誰がいるの?」みたいな話になって「ダレダレは?」「ん~知らない」「じゃあダレダレは?」「その人も知らない」「Non c’est moi(いや俺の名前だよ)」みたいな愉快な酔っ払いおじさんでした。

わたしたちがgîteに着いたのが22時くらいで、24時半頃までお話して、若者3人で先に寝室に戻って寝る準備をして寝ました。

洗礼式当日、式までの間

8時ごろ起きて、まずはChちゃんMちゃんCちゃんママ、82歳のAさんと朝ごはん。コーヒーを淹れ、買ってきてくれていたバゲットにバターを塗って食べました。ちなみに隣でChちゃんは当たり前のようにパンをコーヒーに浸していました。単純に別々に食べた方がおいしくない?と思ってしまうわたし。

洗礼式は14時からだったので、午前中は時間があり、車で行ける近くの街にChちゃんMちゃんとお散歩しに行きました。車を停めて、城跡があるのでそちらに向かいながら、道中にあった教会に入り、その後城跡までお話しながら歩いて行きました。別に城跡も何があるというわけでもないので、プラプラ歩いて、記念に写真を撮って、車に戻りがてらデザートにtarte au sucreを買って(お昼ご飯をCちゃんのお父さんが朝から準備してくれていたのでお礼にと)gîteまで戻りました。

お昼ご飯のボロネーゼパスタができていたので、私は勧められたロゼをほんの少しだけ飲みながら、みんなでお昼ご飯を頂きました。

「洗礼式、何を着ていけば?」と夏にChちゃんとパリで会った時に話していて、「教会で行われるからあまりにもデコルテが開いていたり、丈が短すぎるのは良くないのでは?」「黒という色は洗礼式では許されるのか?」など疑問は尽きず、わたしは結局3つワンピースを持って行っていました。結婚式で着るようなのではなく、普段から着るようなワンピースです。ChちゃんMちゃんも2つ持ってきていました。ということでCちゃんママに「黒って着てもいいの?」と聞いたら「結婚式ほど着飾る必要はないし、あなたが綺麗になれる好きなものを着たらいいのよ」と言ってくれたので、黒のワンピースにベージュのジャケットを羽織ることにしました。結果的に結構バラバラでジーンズの人もいたし、Cちゃんママは素敵なワンピースに素敵なGジャンを羽織っていたし、スカート丈が短い人もいたし、割と何でもありそうでした。

ということでみんなで準備をして、gîteからそう遠くない、Cちゃんの住んでいる村の教会へ向かいました。14時から開始で14時に到着するフランス人スタイル。もちろん14時に到着した我々より遅く来た人たちもいました。なぜ開始10分前に着こうとしないのか私には分かりませんが、結局14時に始まらないのでいいのです。

洗礼式

牧師さんがCちゃんMさんに「今からこの子の洗礼式を執り行うことについて異論はないですね?」的な確認を教会の入り口でして、その後教会の席に参列者がついて、式が始まりました。

宗教儀式ですので、Cちゃんが聖書か何かの引用を最初に読み、その後牧師さんが同じような何かを読み、何かを話し、参列者を立たせて何かしらの歌を歌わせ、とそんな感じです。わたしは教会で行われるこういう式は、葬儀のミサと、クリスマスの小さめのミサに参加したことがあるくらいです。葬儀のミサは結構独特なのかなと思いますが、例えばクリスマスのミサは基本的に信心深い人が行くので歌を歌う時もよく知っている人が多い気がしましたが、この洗礼式は歌ってねと言われてもよく知らない人が多いのかほとんど歌えている人はいなかったように思います。なので基本的にマイクを通した牧師さんの歌声が聞こえる感じです。そんな感じでお話が終わった後、洗礼されるもうすぐ1歳のMくんと両親のCちゃんMさん、Mくんの後見人になる2人(ここは別にカップルではない)が前に出て、「この子の面倒を見ると誓いますか?」的な誓いを交わし、お水の入った大きいボウルから水をすくってMくんの頭に何度かかけて、これで洗礼完了というわけです。

赤ちゃんを抱いているのが赤ちゃんの後見人の女性、その側にCちゃんとパパのMさん

洗礼式自体は30分強でした。Mちゃんは「1時間ぐらいある洗礼式にも出たことあるから短くてよかったわ~」と言ってました。ちなみにこの1歳にも満たない赤ちゃんは本当にお利口で、式の最中も水をかけられても、ぎゃんとも言わずニコニコでした。かわいかった。

洗礼式後のパーティーは会場を知らされておらず、「じゃあ車で着いてきて!」みたいなノリでした。フランス式段取り!

式後のパーティー

Cちゃんの家の近くにあるワインのカーヴのような場所が会場でした。15時頃から開始。テラスと小さめのお部屋2つがあって、まずはテラスに集まりました。シャンパン、ノンアルコールのカクテルとおやつ(ブラウニー、スイーツ、デザートなど)を頂きながらおしゃべり。

ちなみに夏頃にChちゃんと会った時に「どうやら洗礼式にはプレゼントを持参すべきらしい」という話を聞いたので、用意していたプレゼントはその時に提出しました。開封タイムは後ほど。パリのアジア系本屋さんで見つけた子供向けの日本語の絵本とディズニーランドで買ったベビー服とロンドンで買ったロンドンバスの木製おもちゃを可愛い紙袋に入れて渡しました。

30分ぐらい経ったあと、お部屋に誘導されました。お部屋には参加者の子供のころの写真が白黒で印刷されたものが飾られていて「誰がどれか当ててみよう!」みたいなコーナーがあったり。(右下の隠していないのがわたしです)

une frimousse=子供の顔 (初めて知った!)

フォトブースがあったり。撮った写真は持って帰ってもいいし、会場に置いてあるノートに貼ってくれてもいいよ!という感じでした。

他には参加者に向けたお手紙が置いてあったり。

夕食の時間まではフリーなので、みんなで写真を撮ったり、飲み物を片手におしゃべりしたりという感じでした。途中、CちゃんがMくんにお昼寝をさせに、車で2分くらいの自宅へ帰るということで「良かったら一緒においで」とわたしとChちゃんMちゃんともう一人のCちゃんの友達EさんのみんなでCちゃんの自宅へ。子供を寝かした後は女5人でゆっくりおしゃべり。もうなんてことない話です。「昨日脱毛に行ったので足がかゆい」とか「彼が子供は1人だけで良いというから「じゃあ1人目で使ったものは全部処分していいのね?2人目はいらないんでしょ?」と彼に言うと「いやあ…」と言われてどっちやねんって感じでしょ」とか「マッチングアプリのプロフィールに何を書けばいいか分からない」とかなんかもうそんな感じの女子トークです。笑

その後またパーティー会場に戻り、19時からは夕食がサービスされ始めました。ケータリングで立食的な感じなので、好きなものを取って食べる形式です。サーモンとクリームチーズのはさまったワッフルとか、ミニミニ海鮮丼とかミニハンバーガー、ミニトルティーヤなどなど。どれも美味しかったです。

食事が落ち着いたら21時頃からプレゼント開封タイム

こんな風に棚にプレゼントがならんでいたのを一つずつ開けていました。写真の左に映っているおおきいやつもプレゼントです。本やおもちゃ、その他で言うと子供の名前が入った大きい椅子とか、色々ありました。

22時頃から食事の片づけを気付いた人がし始め、部屋のスペースを空け、そうですダンスタイムが始まります。分かる曲だけ以下。

ドドドドドドドドド鉄板の曲。1982年リリース。この曲で踊るフランス人を何度見たことか。わたしはこの歌手のPas toiという曲がチョ~~好き。
この曲も定番だと思う。何度も聞いた。Partenaire ParticulierというグループのPartenaire Particulierという曲。嵐のARASHIみたい。
この曲は初めて聴きました

14時から式が始まりずっとこんな感じだったので普通に疲れている&踊りたくないわたしと、同じく疲れているMちゃんはそろそろ帰りたく、Chちゃんは踊っていたのですが、曲のラインナップも微妙だし二人が帰りたいなら…ということで23時頃にgîteに戻りました。82歳のAさんやCちゃんのお母さんは楽しそうに元気に踊っていました。すごい。

式の翌日、ブランチ

「次の日はブランチがあるよ」というのだけ知らされていて「そもそもブランチとはどんな感じなんだ」とよく分からぬままでした。11時から開始だったので9時頃ゆっくり起きて準備。カジュアルな感じらしいのでお洋服は完全に普段着でOKとのこと。それでも外に出て人に会うのでわたしは普通にいつも通り身支度をしていたら「Mahoは電車に乗るだけなのにお化粧して髪のセットもしてる(前髪巻いて三つ編みしただけ)、わたしはめんどいから化粧はせん」とMちゃんが言っていて「いやむしろすっぴんでも違和感ないのがうらやましいです」と思いました。ちなみにMちゃんChちゃんもgîteにいる間、シャワーは浴びても髪は洗っていません。Chちゃんは「水曜に洗ったから大丈夫」と言っていました。本当になぜそれで大丈夫なのか……

ブランチ後そのまま帰りの電車に乗る予定だったので、荷物も全部まとめて10時半頃には出発の準備ができていたのですが、CちゃんからCちゃんママに「11時には始められなそう」と連絡が。わたしは咄嗟に「15分くらい遅れるのかな?」と思ったのですが甘かったです。12時から開始になりました。笑 ということでリビングでみんなでお話しながら待って、12時前にまた昨日の会場へ向かいました。

こんな感じでパン、チーズ、シャルキュトリー、タプナード、クレープ、ジャム、ヌテラ、キッシュ、そしてあり得ない数のクロワッサンとパンオショコラが用意されていました。ちなみにフランス南西部の方が多かったため(それこそCちゃんたちの通っていた大学のあるトゥールーズとか)、パンオショコラではなく「ショコラティーヌ欲しい人?」というセリフが飛んでいました。パリはもちろん南でもマルセイユのあたりではパンオショコラですが、トゥールーズやボルドーの方に行くとショコラティーヌと呼ばれるのです。

ブランチは立食ではなく一応席が用意されていて、好きなものを取って席で食べる感じでした。前日の夕食はケータリングの用意したものでしたが、ブランチはCちゃんMさんが作ったり買いに行ったりしたものだったみたいです。

食事後、また写真を撮ったりして、13時半頃から片づけを手伝って、15時過ぎの電車に乗るために14時半頃にみんなと別れました。

ちなみに帰りのTGVは40分遅延していました。「40分ならSNCFにしては頑張った方か」とChちゃんと話していました。ということで楽しい週末でした。

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