久々の第六弾はルーアンです。ノルマンディーの都市、モネの描いた大聖堂の街です。
Rouenの基本情報
パリからTERで1時間半ほどで行くことができます。わたしは往復で30ユーロ弱でチケットを購入しました。ノルマンディー地方の都市なので、印象派の画家たちと関わりがあったり、何よりジャンヌダルクゆかりの地です。
ジャンヌダルクと言えばオルレアンですが、オルレアンはジャンヌダルクが勝利をもたらした街であるのに対し、ルーアンはジャンヌダルクが火あぶりの刑に処された悲しい歴史の街なのです。
ルーアンパス
今回は「ルーアンパス24H」を購入しました。1日、というより使い始めてから24時間有効のパスで、ルーアンの特定の観光施設に無料で入ることができます。大人1枚25€でネットで事前購入しました。アプリを入れて各施設でそのアプリのQRコードを見せることで使えます。
ルーアンのSNCFの駅から観光案内所までは歩いて10分もありません。観光案内所で24hパスを見せると「sucre de pomme」というのがもらえました。りんご味の棒状の飴ちゃんみたいなやつです。ルーアンのお菓子なのでタダでもらえてちょっと嬉しい。わたしはこの時に観光案内所のお兄さんに地図を使って色々説明してもらい、観光を始めました。
ただ、13時前に着いたのですが午後からしか開いていない施設もいくつかあり、それが14時からだったのでちょっと時間をもてあましました。(後述しますがなんでこんな遅く着いたかって、SNCFのせいなんですが!) お昼ご飯を食べて大聖堂の見学から開始しました。ちなみに食べたのはvikingという名前の茶色目のシリアルパン。バゲットよりやわらかめでシリアルたっぷりで美味しかったです。中身はサーモンとアボカド。
ルーアン大聖堂
オルセーにモネが描いたこの大聖堂の絵がいくつかありますよね。外観が素敵です。後述のガイドツアーで説明を受けましたが、尖塔は151メートルでフランスで一番高いらしいです。また横幅もかなり大きいのが特徴。
中はわりと普通の大聖堂ですが、この図書館へつながる階段がとってもきれいでした。登れませんが。
大時計
フランス語では「Le Gros Horloge」、アレ?となったら勘が良い!素晴らしい!なぜならhorlogeはune horlogeのはずだから「le」が付くのはおかしいからです。ある時から女性名詞になったらしいのですが、それまでずっと男性名詞として使われていたらしく、なのでこの大時計は男性名詞のままらしいです。ちなみにこの大時計の針は1本だけです。当時は長針を作る技術がなかったとか。また針の先には羊がいますが、羊はルーアンのシンボルらしいです。
この大時計は外から眺めるだけでも正直十分ではありますが、中に入ることもできます。ローシーズンは14時からオープン。大人1人7,70€で、パスがあれば無料で入れます。そしてなぜか日本語のオーディオガイドもあります。
中はどんなものが展示されているかというと、大時計の歴史や構造の説明、かつて使われていた歯車、かつて使われていた鐘などがありました。別に行って後悔はしてないけど、行かなくってもまあまあいいかな!という感じではありました。笑 が、最後にパノラマがあって、ルーアンの街並みがほぼ一望できます。
これは価値があったかなと思います!結構足元も下が見えてちょっと怖めですが。笑 大体30~45分くらいで回れました。
ガイドツアー
例に漏れず今回もガイドツアーに参加しました。大人10€ですが、こちらもパスに含まれています。定員30名ですが、わたしの参加した回は満員でしたし、予約カレンダーを見ている感じ結構満員のことが多いよう?です。30名ってガイドツアーの中でも結構多い方で、マイクを使ったものでもなかったのですが、特別聞きづらいってことはなかったかな。観光案内所の前に5分前に集合して、ガイドさんが参加者の名前を呼んでいってくれる点呼形式でした。これは初めての受付方法だった。笑 2時間のツアースタートです。
ルーアン、ひいてはノルマンディーにバルバロイ(les barbaresのこと、和訳はこれでいいのか?)の人々がやってきた頃の歴史の話から始まりました。昔はパリの次に人口が多い街だったらしいです。セーヌを使った貿易が盛んな街だったとか。
その後大聖堂へ行ってファサードの説明をしてもらったり、広場の向かいの建物で且つてモネが大聖堂を描いていた話を聞いたり。もともとこの建物はお洋服屋さんで、モネはその試着室の一つを借りて絵を描いていたらしいです。が、もちろんお客さんには不評で追い出されるはめになったとか。ツアーでは大聖堂の中にも入り、設置されているお墓の人物の話などをしてくれました。
その後は街を歩いてサンマクルー大聖堂の前まで行き、そのすぐ近くにあるサンマクルー回廊も訪れました。かつてはペストで亡くなった人を埋める共同墓地だったところ。埋葬は場所が足りない!という大きな問題があるため、時間が経つと掘って骨を回収して、この建物の2階部分に骨をたくさん積んでまたあたらしい死体を埋めて…という風にしていたそう。これはカタコンブに行った時もパリで同じようだったとガイドツアーで聞いていました。この”aitre”という教会付属の墓地はかなり珍しいらしく、国内にもあんまりないそうです。
その後大時計を一緒に見て、最後にジャンヌダルクの処刑された場所へ行きました。地図には「記念碑」とありますが、その実そんなに「碑」っぽいものはなく、結構あっさりとしています。ガイドさんも「フランスのシンボルの1つでもある彼女の処刑されたこの場所がこれだけっていうのはちょっとあっさりしすぎていて残念よね」と言っていました。
わたしはこの後のジャンヌダルク博物館に行きたくて、それにはタイムリミットがあったので、17時終了予定で17時10分になってもまだ終わっていなかったので「行かなきゃいけないので」と言って先に抜けました。このガイドさんとこのツアー、別に何か悪いところがあったわけじゃないけど、なんかあんまり印象に残るエピソードとかなかったなあ。笑
ジャンヌダルク博物館
ということでツアー後急いで向かったのが、Historial Jeanne d’Arcという名前の、映像でジャンヌダルクの生涯を辿る博物館です。大人11€。
部屋がいくつかあり、1の部屋から順番に訪れ、10~15分くらいのプロジェクションマッピングを各部屋で見ていきながら彼女の生涯を追う、という流れなので開始時間が決まっています。好きな順で見たり、好きなペースで見ることが最後以外できません。なので、わたしは「1時間だけ時間があるから途中まで見て、その後外に出てまたツアーが終わったあとに残りを見に来る」ということがしたかったのですが、受付の方に聞くとそれは難しいということでした。入ってみるとそうだなと分かります。ということでしっかり1時間半以上時間があるときにだけ入るのをお勧めします。最終受付は17時15分。
プロジェクションマッピングはすべてフランス語音声ですが、イヤホンをもらって日本語で音声を聴くことも可能です。が、フランス語の音がかなり大きくてイヤホンからの音がかなり聞きづらかったです。しかもフランス語が全然分からなければ大きい音というだけのノイズですが、理解できる言語が理解できる言語に重なって流れてくると余計聞きづらくて、せっかく借りたイヤホンもあんまり使いませんでした。
展示映像の質はさすがフランス、かなり高いと思います。ドラマ仕立てで、ジャンヌの裁判でされた人々の証言から彼女がどんな人だったかを見ていくことができます。すごくよくできていると思いますが、「え~そうだったの!」と驚くほどの情報はないというか、逆に情報がめちゃめちゃ出てきてどれも残りづらいというか、家に帰って「何か得られたことがあっただろうか…」と思うとちょっと微妙な気がする。すごくよく出来てるんですけどね。フランス語で咀嚼するには情報量が多すぎたのと疲れすぎていたし、日本語で聴くには音量の問題があってそれも疲れるし…という感じでした。でも行って損はないんじゃないかな。できれば元気な時に!
おすすめ施設や所要時間など
今回わたしは12時前に着いて19時過ぎに出発という、7時間ほどの滞在を予定していたのですが、行きの電車が出発して30秒で止まって「ごめん、45分遅れるわ!」ということで思ったより45分遅く到着したのでちょっと滞在時間が短くなってしまいました。
大時計45分、ガイドツアー2時間、ジャンヌダルク博物館1時間30分で合わせて4時間15分、その間の移動時間と駅から・駅までの移動時間も含めるとかなりキツキツでした。ガイドツアーがなければ、13時前に着いて、お昼ご飯を大聖堂の前で食べて、13時半からジャンヌダルク博物館に行って、15時過ぎに大時計に行って、16時以降は街を歩いてルーアン大聖堂を筆頭にいくつかある教会に訪れて…で13時~19時の滞在でもちょうどよかったかなと思います。が、今回わたしが行った火曜はほとんどの美術館が閉まっている日でもあったので、美術館が空いている日に行くとその時間もプラスで見るべきなので、11時とかに着けていると良いんだろうなと思います。
とにかくガイドツアーと大時計とジャンヌダルクのでかなりいっぱいいっぱいで街をただプラプラ歩く、っていうのがあまりできなくってちょっと残念だったかなあと思います。ジャンヌダルク博物館がこんな長くかかるとは!
パスはこの3つを訪れれば25€以上になるのでパスを買った方がお得です。ルーアン内の公共交通機関にも乗れるのですが、バスとか調べてる時間もなかったしそんなに大きい街ではないので使いませんでした。あとはミニトレインとかも含まれています。この3つを訪れるのでない限りは別に買わなくってもいいとは思います。
観光施設についてですが、どれも行って後悔はしないかな、という感じでした。ただどれも絶対行ってほしい!というほどでも。ただね、街自体はわたしもっと歩きたいなと思う感じだったので、ルーアンは迷っているなら行ってみていいんじゃないかなと思います。
ただやっぱりわたしが訪れた施設にプラスで美術館も開いていてそっちにも行きたかったらかなり時間が必要だなと思います。パリから日帰りで行ける街ではありますが、それこそパスは24時間有効だし、1泊するのもアリじゃないかなと思います。
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