第五弾は中世の街、プロヴァンです。
Provinsの基本情報
パリから南東に90kmほど行ったところにある小さな町です。『中世市場都市プロヴァン』としてユネスコ世界遺産に登録されています。東駅からP線に乗って行けるのですが、Zone5にあたるので、Navigo moisを持っていれば無料で、そうでなくても片道5ユーロで行けて大変ありがたいです。
パスプロヴァン
今回はPass Provinsという5つの施設を周れるパスを購入しました。大人ひとり16€です。1つの施設を3€ちょっとで見られると思えば結構お得かも?そしてなかなか面白いのが、このパスは購入から1年間有効です。もちろん何度も同じ施設に入れるのではなく、1施設1回ですが、Navigo moisで実質タダで来られるなら、1日で回り切れなかったとしてもまた行って使えばいいじゃん、と思って購入しました。
また、パスの購入日に限り、対象施設以外のバラ園やガイドツアー、中世ショーなどの割引があります。バラ園もガイドツアーも0,50€だけでしたが。
パスプロヴァンはインターネットで購入した場合、家に送ってもらうか観光案内所で引き取るかが確か選べたと思います。わたしは観光案内所で引き取るようにしたのですが、駅から観光案内所が結構遠くてしんどかった笑 歩いて30分ほどなんですが、結構坂を上って下ってとしないとたどり着けなかったです。なんであんな街のはずれに観光案内所を作るのか…
ガイドツアー
ということで今回も参加しましたガイドツアー。1時間半、ガイドさんと15人ぐらいかな?の観光客の方々と一緒に街をまわりました。
城壁
そもそもなぜ『中世市場都市プロヴァン』としてユネスコに登録されたかというと、プロヴァンはかつて12-13世紀ころにシャンパーニュの大市という45日にも及ぶ大きなFoire=大市を開いていた街だったからです。この城壁にあった関所で、商人たちは商品などを色々チェックされ、街の中へ入って行っていたとのこと。
ツアー中は上りませんが、城壁にも上れます。無料です。遠くまで見渡せてよかった!
中世の街並み
正直中世の街自体にはそんなに新鮮味がなかったのですが笑、ガイドさんが言っていてなるほど~と思ったのが、プロヴァンは大市をやっていた関係で道幅が普通の中世の街より広かったと。道に出店する商人がたくさんいたからですね。なので、パリのような大きな街は近代化が進むにつれて、車を通れるようにしないとどうしようもなかったので、多少街を壊すという犠牲を払って今も生き続ける街になったわけですが、プロヴァンはその必要がなかったので、中世の街にありがちな小道というのはあまりないけれど、街を壊さず近代に適応できた街なのです、ということでした。
La grange aux dîmes
直訳すると「十分の一税納屋」です。収穫物の10%を納めていた納屋というわけですね。ツアー中は中に入りませんが、パスプロヴァン対象施設①なので、ツアー後に入ってみました。今は大市の様子を再現するミュゼとして公開されています。無料でオーディオガイドが借りられますが多分日本語はない。全部ゆっくり聴いていたら結構時間かかります。
このミュゼは地下にもお部屋があるのですが、これはミュゼのために作られたお部屋ではなく、中世時代からあったものです。面白いことに、この町には地下道が張り巡らされており、例えばプロヴァンのある家を買ったら地下にこんな地下倉庫がついてくるかもしれないのです。すごい。地下室とかいうレベルじゃない。しかももともとは全部繋がっていたそうなのですが、そうすると地下にしまってあるワインなどを盗まれたりすることが増えたため、今は閉じているお宅が多いそう。でも、そもそもこんな地下のお部屋がいろんなおうちにあってすべて通じていたと思うと、単純にすごいですよね。
セザールの塔
César=シーザーの塔という名前ですが、別にシーザーがここに来たという記録があるわけではないようです。街の中心にあってシンボルになっています。
これもツアー中には入りませんが、パスプロヴァン対象施設②なのでツアー後に上りました。ほどよく高くて気持ちよかった!
サンキリヤス教会
なかなか独特な教会でした。まず上のドームがあまりにも建物本体と合っていない感じがありますが、もとのが火事で焼失しちゃってこれになったとか言ってたかな。もっとなんかストーリーがあったはずなのに、ガイドツアーから時間が空いたらすっかり忘れちゃいました。ちゃんと聞いてすぐにメモしとかなきゃだった…
それからこの教会はそもそも未完成らしくって、本当は写真の木があるところまで伸びる予定だったのが、予算なしで途中で終わったとのこと。上から見たら十字架型になるはずだったのに、T字になっちゃった、って感じですね。
教会の中にも出入口を作るはずだった場所が、結局作られなかったため、だまし絵=Trompe-l’œilでごまかされているのがわかります。
地下道
パスプロヴァン対象施設③です。先ほどプロヴァンには地下道が張り巡らされている、と書きましたが、大きく2つの地下道に分かれており、1つは現在ほとんどが居住者のものになっていて訪れることができません。が、もう1つは観光施設として訪れることができます。ただしこの施設は必ずガイドと一緒でないと入れません。
なぜならそうでなければ絶対に迷うからです。もう気分は完全に『ハリーポッターと秘密の部屋』の秘密の部屋です。バジリスクに追いかけられます。とにかくいろんな方向に道が伸びていて、そのすべてが明るく照らされているわけでもないので、単純に1人で歩いたら絶対怖いし絶対迷います。ということで時間を予約して(30分おきでかな?)ガイドさんと一緒に行きます。フランス語しか対応していないと思うので、フランス語が分からないと行っても…という感じではあるかも。
わたしの回はわたし含めて3人だけで、始まる前にガイドさんから「閉所恐怖症はない?入ってしんどかったら教えてね。それから具合が悪くなったらすぐ教えてね。地下道の中は電波が通じないから…」という忠告と「壁を傷つけることのないよう」と注意を受けて入りました。
もともとは採石のために掘られた地下道で、その後ワインなどの保存に使われたり、フリーメイソンが儀式に使ったかもなんていう推測もある場所だそうです。写真のように17-18世紀の人々が自分の名前を彫ったのが残っています。「残念なことに21世紀のものもあるけどね…」とガイドのお姉さん。「しかもみんなそんなことするのは若者だろって勘違いしがちだけどそういうのってお年寄りが多くて、こないだもおじいさんが鍵を出して壁になんか掘ってたのヨ…」なんて言ってました。
ツアーは45分くらいで終了します。わたしが「昔の人はここで迷わなかったの?」とアホな質問をしても、「意外と方向感覚を保てば迷わないのよ。わたしもガイドになりたてのころ、先輩に「一人で行ってこい」って行かされてマジで怖かったけど、迷った経験のおかげで迷わなくなって、今じゃ自分がどこにいるか問題なく分かるよ」と素敵に回答してくれました。楽しかったです。
バラの街・プロヴァン
プロヴァンはバラの街としても有名だそうです。正直知らないで普通に歩いても「バラの街だなあ!」とまでは思わなかったかなと思いますが笑、でも確かにバラは多く見かけました。
バラ園
そしてバラ園もあります。大人7€ですがパスプロヴァンを見せれば0,50€だけ安くなります。正直わたしは高すぎると思う内容でした。パリの南にあるLa roseraie de l’Haÿは4€でもっとバラの種類が多くて個人的には楽しめました。時期的にも悪くない時期だったとは思うのですが…敷地がかなり広いのですが、広い分散らばってる感じがあるのと、最後に来たので疲れててあんまりぐるぐるしたくなかったのとあって、あんまり楽しめませんでした。バラが見たければ私はLa roseraie de l’Haÿをお勧めします。素敵なお花はいっぱいありましたけどね!
まとめ
ということでまだパスプロヴァン対象施設、5つ中3つしか行けていません。なのでプロヴァンにはまた行ってみる予定です。11時過ぎにプロヴァンに着いて、帰りは18時半過ぎとかに帰ったかなと思うので、7時間くらいいたということですね。中心地まで30分くらい歩くので往復で1時間マイナスしても6時間くらい観光してもまだ足りなかったということですね。45分の地下道ツアーと90分のガイドツアーに参加しているのでそれは大きいですね。着いてすぐ観光案内所→また15分くらい歩いて街に降りて昼食調達→12時半に地下道ツアー→お昼ご飯→14時半ガイドツアー→16時終了→セザールの塔とla grange aux dîmes、で18時少し前だったと思います。他の2つの施設が18時終了なので回れないからまた今度にしよう、と思いその後バラ園に行って帰ってきた感じですね。
このほかにも中世ショーも何種類かあるので、結構やることは多い観光地だと思います。パリからふらっと来て1日過ごすにはとても良いところだと思います。
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