なんだかうさんくさいタイトルになりました。語学学習において避けて通れない「単語学習」、フランス語講師としては「結局生徒さんに毎日コツコツ頑張ってとしか言えない…」と思い、フランス語学習者としては「コツコツやるしかないなんて辛い…」と思っています。単語を覚えるには「毎日コツコツ」これに尽きる!!!と思うのですが、「毎日コツコツ、どうやって覚えたらいいの…?」となる方もいるかなと思い、どんな学習方法が最も良さそうかを検証してみました。
検証概要
1週間で100個中何個の単語を覚えられるかを、4つの異なる方法で検証しました。計400個の単語は、自主学習でメモしていた単語を使用しています。7日間その方法で学習し、最終日に100単語中どれだけ覚えたかを比較します。更に、終了後7日目に確認テストを行うことで、単語の定着率も測りました。
| 1日目~6日目 方法①で学習 | 7日目 方法①で確認テスト |
| 8日目~13日目 方法②で学習 | 14日目 方法②で確認テスト&方法①で学習した単語の確認テスト |
| 15日目~20日目 方法③で学習 | 21日目 方法③で確認テスト&方法②で学習した単語の確認テスト |
| 22日目~27日目 方法④で学習 | 28日目 方法④で確認テスト&方法③で学習した単語の確認テスト |
| 29日目~34日目 何もせず | 35日目 方法④で学習した単語の確認テスト |
4つの学習方法
とにかく「準備が手軽」というのが、考えた4つの学習方法の最低条件です。
- 朝と夜に紙で単語を確認する
100個の単語とその訳を紙に印刷し、日本語を隠して毎朝意味が書けるかを確認。確認後単語の和訳に一通り目を通して、夜に同様に日本語を隠して意味が書けるかを確認。 - トイレに単語を貼って音読する
100個の単語とその訳を紙に印刷し、トイレに貼ってトイレに行く度に100個の単語を音読しつつ意味を目で確認。 - AIに例文を作ってもらって確認する
100個の単語を10個ごとに分けて例文をAIに作ってもらう。紙に例文を印刷し、それを毎日音読して和訳を思い出せるか確認。 - フランス語と日本語をAIに音声読み上げさせる
覚えたい単語のフランス語と日本語をこちらのサイトに貼り付けてAIに音声読み上げをさせ、それを集中して聞く。
どれが最も効果的そう、どれが最も効果がなさそう、というのを是非予想してから読み進めてみてください!
結果
方法①朝と夜に紙で単語を確認する

事前準備として、このようにエクセルを作成。縦は覚えたい単語分、横はフランス語と日本語の列にプラスで必要日数分。100単語だとA4用紙2枚印刷しました。

まず朝、和訳のところを折って意味が分かる単語だけを横のセルに書いていく→和訳を開いてひとつずつ合っているか・書いていないのはどんな和訳だったかを確認→夜に同様に意味をその日の列に書き込んでいって正誤判定、という流れです。朝と夜に5-10分ずつ、これでどれだけ覚えられるんだ?と懐疑的でした。
最終結果は79/100個でした。1つ目の方法だったので、「結構覚えてる!」とびっくり。この方法の良いところは、毎日どれくらい新しく単語を覚えられたかが可視化されるところです。日々積み重ねている感があるし、こんな風に紙を用意したので、毎日やる意識も強く持てました。アレンジ方法として、「100単語覚えるまで何日かかるか」というのを試すのもよさそうです。結局手を動かすのが一番なのか?と思った1週目でした。
そして何もせず、更に1週間後にどれだけ残っているかの確認をしたところ、62/100でした。悪くないのではないでしょうか。
方法②トイレで音読する
トイレに入るたびに100単語を音読しながら和訳を目で確認するというシンプルな方法です。これが、これが本当に!!!本当につらかった!!!笑 100単語の音読って地味に少し時間がかかって(と言っても2分くらいだと思うけど)、わたしには面倒くさくってしかたなかった!トイレに行こうとするたび、「あっ、また単語読まなあかん…」と結構嫌な気持ちになりました。頼むから早く7日間終わってくれ!!と思いながらやりました。もう絶対したくない。

貼っていた紙はこんな感じ (適当なので和訳の誤字がたまにあります)
そして最終結果は44/100。こんなに面倒でしかも全然覚えられないなんて絶対に不採用です。この方法はもう少し少ない単語ならまだいいのかもと思いました。例えば3日間、10単語をこの方法でするくらいなら結構いい気がします。一週間後の結果は32/100でした。
方法③:例文で覚える
単語を覚える時に「例文を作って覚えると良い」というのはよく言います。わたしも学生時分、フランス語の先生に同じことを言われましたが、例文を作るのが大変でそして何より面倒。それでその方法は全く続きませんでした。しかし現代には便利なAIがあるので、わたしはChatGPTに覚えたい10単語とその訳を投げて「この10単語を使って1文、もしくは2文の例文を作ってくれませんか?」とお願いし、それを10セットで10単語×10セット=100単語にしました。あまりにも統一性のない10単語なので、出てくる文章は意味が分かりません。わたしが実際に作ってもらった1文で、意味が分からな過ぎて逆に好きだったのがこれ。

「焼却される運命にある身支度を細かくちぎる」って意味が分からない。でもいいんです。むしろその方が印象に残るし、文章に入っているということが重要に思います。(覚えたい単語によってはもうちょっと自然な文章ができあがる気もします) もちろん自分で作るには越したことはないですが、「準備が簡単!」が今回の検証の大事なポイントだったのでAI頼りです。作ってもらった2文×10セットのフランス語と日本語訳を印刷して、覚えたい単語にマーカーで色をつけて、それを毎晩音読しました。①と違って手を使わないので楽ちんです。
結果は79/100で①の方法と同じだけ覚えられました!すごい!手を使わなくて楽な分、①には劣るのでは、と思っていたので、同じだけ覚えられてびっくりでした。
何もせず、更に1週間後に試すと72/100で①の2回目の確認テストよりよく覚えられていました。もしかしたらこれが一番効率的なのかもしれません。
方法④:AIの音声読み上げで確認
こちらのサイトに覚えたいフランス語と日本語訳をそのままコピペしてフランス語音声に読み上げてもらうのを、他の作業をせずじっと集中して聞くだけです。フランス語音声読み上げなので、フランス語は綺麗に読んでくれますが、日本語はフランス人が読むような発音になって面白いです。「食べる」だったら「る」がrの音で「タベフ」みたいな音になります。そして漢字は変な読みになります。が、まあ日本語だし、文字でも見られるので気にしませんでした。自分で読み上げればいいのですが、準備に手間がかかるのと、初心者の学習者の方はそんなことなかなかできないので、AIを使っています。
この方法の良い点は、声に発しない・何も書かないので、例えば通勤電車の中でもできるところだと思います。ただ、じっと音声を聴くだけなのがちょっとつまらない。自分で発音した方が記憶に残ると思うのですが、色々なレベルの学習者さんの参考になればいいな、ということで、自分でまだうまく発音できない・きれいな発音を聞いて慣れていきたい方でもできるように、AI音声にしました。
結果は41/100と②のトイレより少なくなりました…やっぱり受け身なのはいまいちなのか。まあでもやっている側の手応え的には、案の定な結果にはなりました。①の方法は絶対毎日やるのを忘れなかったし、②は嫌でもやったし、③は1日くらい忘れたことがあったけど、最後だったからかこれは何日か忘れたのもあります。やってても全然手応えはなかった。一週間後の結果は36/100でした。
最終結果
| ①紙に書いて確認 | ②トイレで音読 | ③例文で暗記 | ④AIの音声読み上げ | |
| 聴く | △ | 〇 | 〇 | ◎ |
| 発音する | △ | ◎ | ◎ | × |
| 書く | ◎ | × | × | × |
| 読む | △ | △ | ◎ | △ |
| 1週間で覚えられた単語数 | 79/100 | 44/100 | 79/100 | 41/100 |
| 何もせず更に一週間後覚えていた単語数 | 62/100 (△17) | 32/100 (△12) | 72/100 (△7) | 36/100 (△5) |
発音もしながら(ということは同時にリスニングにもなります)、メインは手で書くことだった①と、文章を音読する③が同じだけ効率的、という結果になりました!
もちろんですが、これはわたしにとっての、そして今回の100単語×4回分での結果なので、②や④が最も効率的に覚えられる方もいると思います。レベルによってももちろん異なると思います。結局、何においても「自分に合った方法」を見つけるのが一番だと思いますが、その手助けになれれば、というのがこの記事の趣旨となります!
感想
ということで、効率的な方法で、毎日少しだけ時間をとって単語学習をすれば、大きな努力なしに1週間で80単語ほどは覚えられる、ということが分かりました。どうですか?少ないかな、意外と覚えたかな?わたしは毎日少しやっただけでこれくらい覚えられるんだと嬉しい方のびっくりでした。
1週間に80個というのは単語を本当に頑張ろうとするなら少ない数かもしれませんが、1年は52週、ということは単純計算で1年で4,160個覚えられます。仏検公式サイトによると、2級に必要な語彙は「約3,000語」ということです。朝と夜に5分ちょっとずつで1年で4,000語以上覚えられるなら、時間と努力の投資の価値は十分にあるのではないでしょうか。
あと、「(②の方法のように)なんとなく何度も目にすること」よりも「しっかり1度目にすること」の方がやっぱり大事なんだなあ、というのも面白いところでした。「フランス語に慣れるためにフランス語ラジオを流す」という学習法は気軽ですが、それを3時間するより、集中して音声を20分聴く方が効果があるのかなと思います。もちろんラジオの流し聞きも、何もしないよりは絶対に良いので全然やってもいいと思うのですが!
単語学習はずっとずっと付きまとってきます。A1でもB2でも、どんなレベルでも共通してやらなければいけないことも単語学習だと思います。私は今C2レベルに挑戦したくて勉強を進めていますが、一番の弱点は語彙力だなと思います。分かる語彙と使える語彙は同じではなく、わたしはどちらかと言うと使える語彙の弱さを感じていますが、使える語彙は絶対に分かる語彙に入っています。「使える語彙⊂分かる語彙」なわけなのです。だから、分かる語彙を広げることは使える語彙の拡大にも必ず訳に立つと思います。(もちろんそれだけやっていても不十分ですが)
ということで。「単語が覚えられなくて…」「単語学習が嫌いで…」という声はフランス語学習者以外でもよくあがる声だと思いますが、単語学習が大好きな人ってなかなか見たことがないし、人間なので忘れるのは当たり前です。これは本当に常に思うのですが、「忘れるから」というのは全く言い訳にならなくて、忘れない人間なんてこの世に(きっと)いなくて、でもあなた、Bonjourの意味を忘れたことがありますか?という話で、Bonjourのように体に意味の染み付いた単語を一つずつ増やしていく、これが単語学習だと思います。忘れる→覚える→また忘れる→また覚える→またまた忘れる…と、どれだけ繰り返すかは個人差の話になりますが、忘れることを恐れず、そして言い訳にせず頑張りたいものです。と自分に言い聞かせてもいます。笑
地道に毎日5分だけでも時間を取って、一緒に単語学習、頑張りましょう!という記事でした。検証して欲しい単語学習方法があったら是非教えてください。


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