読まないのに「有音のh」

文法
文法発音

フランス語は「h」の音を発音しない、というのは結構知られているかもしれません。ホテルは「オテル」になり、北海道は「オッカイドー」になります。書いてあるのに読まないことに最初は少し戸惑いますが、そこまで厄介なルールではありません。フランス語の「h」において厄介なのは、見た目では分からない「有音のh」「無音のh」があることです。

有音・無音とは?

そもそも現代のフランス語は「h」は全て無音なので意味の通らない名前になりますが、昔は読まれるhと読まれないhがあったそうで、その名残になっています。有音のhを持つ「haut」は例えば昔は「ホ」とかと読まれていたんでしょうか。

なぜ厄介か

なぜこの有音と無音があることが問題かと言うと、リエゾン・エリジオンをする・しないに関わってくるからです。「haut」のhが昔は読まれていたとすると、この単語は子音から始まる単語になります。そうすると前に冠詞の「le」を置きたい場合、「*l’haut」とすることはできませんね。「*l’café」とすることができないのと全く同じ理由からです。「en haut」と言いたい場合も、もちろんリエゾンが起こりません。これが「haut」のhが無音になった今も「le haut」と言ったり「en haut」をリエゾンしない理由になります。「le héros」は「*l’héros」とは言わないし、「les haricots」は「レ ザリコ」ではなく「レ アリコ」という発音になります。

しかし、「hôtel」のhは昔から無音だったようで、「l’hôtel」と表記する必要があります。「le héros」だけど「l’hôtel」、全く以て理論的ではありません。コマッタ。ちなみに「*l’héros」と言うと多分「l’Hérault」と南仏の「エロ―県」だと十中八九勘違いされると思います。コマッタ。

見分け方

ではどれが無音でどれが有音なのか!?という話ですが、見分け方はありません!!!!いちいち辞書で確認する他ありません。辞書には大体「†」こんなマークがついていて、これが有音の印となります。辞書がなければ50%の確立に賭けて言うしかありませんね。

ということで、良く使う単語の中から有音のhを持つものをリストにしてみました。

  • le haut :上。「en haut」はリエゾンしないように!
  • la hauteur :高さ。「à la hauteur」などの表現で慣れると◎
  • le héros :ヒーロー。意味不明ですが「l’héroïne」は無音
  • les haricots :インゲン豆
  • le hamster :ハムスター
  • la haine :憎しみ
  • haïr :憎むという強い動詞。「Je te hais !」
  • les handicapés :障がい者
  • le hasard :偶然
  • la honte :恥
  • hurler :叫ぶという動詞。「Je hurle=まさか!」みたいな感じ

よく「la hanche=腰」「la hache=斧」なども挙がりますがそんなに使わないかなと思って。腰も「dos=背中」で表すことが多いかなと思います。hancheは骨盤っぽい感じ。

le hérosなのにl’héroïne、この辺りにフランス語の一筋縄ではいかない良さがつまってますねえ~!

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