フランス語における現在分詞とは大変謎に包まれているのではないかと勝手に思う。英語には現在進行形というものが存在し、そこで使用する-ingの形こそが現在分詞であり、中学1年生にもなじみあるものではないでしょうか?しかしフランス語には英語で言うところの現在進行形は存在しません。既にこの点から謎ですよねえ。ということでフランス語の「現在分詞」について見ていってみましょう。
フランス語の現在進行形的なやつ
そもそも、英語で言うbe動詞+動詞のing形の現在進行形をフランス語で表す際には
という言い方を使います。さすがにここまで熟語を使用した表現は時制の一つと考えづらい、と私は思います。ちなみに、英語と一緒で「~している」の進行の意味合いを強めるので、例えば「今何してる?」は現在進行形でQu’est-ce que tu es en train de faire ?と言うよりも、Qu’est-ce que tu fais ?と現在形で言う方が自然です。
ということで、フランス語の現在分詞はこの現在進行形的な熟語には出てきません。
現在分詞を使うジェロンディフ
ではフランス語学習者はいつこの現在分詞に出会うのか?それはやっぱりジェロンディフでしょう。しかしそもそも「ジェロンディフ」という、全く耳慣れない文法項目に出会うのはフランス語学習でもどちらかと言えば終盤だと思います。ジェロンディフとは
で表せる、「~しながら」とか「~してたとき」とか「~だから」など結構万能な意味を持つ表現。
そもそもフランス語の現在分詞は現在形のnousの活用の-onsを-antに変えることで作れるので、理屈でいけば現在形ができた時点で現在分詞もできます。英語の現在分詞(ing形)のように、早くから習ってもよさそうなもんですけどね。
かっちょいい現在分詞
ここまでは授業やテキストでも習いがちなので、今回は現在分詞のジェロンディフ以外の別の使い方を。現在分詞は関係代名詞で表す修飾節を関係代名詞を使わずにいうことができます。どういうことかと言うと。
こう書き換えることができる!ということです。関係代名詞qui+動詞(les élèvesで活用した形)は実はその動詞を現在分詞にすることでまるっと置き換えられます。意味は全く一緒。それでは何が違うか?それは現在分詞を使った文の方が数段カッチョイーということです。それだけ。
ではなぜカッチョイーかと言うと、現在分詞はそもそも書き言葉で使われがちなちょっとハイソなヤツなので、これを使うとやっぱりハイソな文章になるというわけです。関係代名詞を使ってごちゃっと書くよりもすっきりして見えて、頭ヨサソーでカッチョイーのです。ほんと。わたしも話すなら絶対quiを使って話すし、友達とチャットしてるならquiを使うけど、ちょっと堅めのメールで打つなら現在分詞を使います。そんな風に使い分けられます。
他にも
という現在分詞の使い方も。これは英語で言う分詞構文ですね。この文章はひとつの文にふたつの文章のようなもの(要するに主語と動詞からなるもの)が存在していますが、両方とも主語がjeで共通しているので、主語をとっぱらって現在分詞に変えちゃえ!というワケです。現在分詞にしたことで主語が省略され、ついでにalorsも消えてますね。なぜなら現在分詞にしたことで「~なので」という意味まで追加されたのです。
上の文章は主語が共通していましたが、実際には主語が別のものでも同じことが可能。ただその場合は主語の省略はせず、動詞が現在分詞に変わるだけです。よく見たら変な文章ですよねえ。でもParce queとかCommeなどを使わずに「~なので」という意味になるこの現在分詞を使った文章はなんだかスマートでカッチョイーのです。
話しことばではあまり使わないので実用的ではないかもしれませんが、中級を脱したい方は書きの時に使えるようになるといいと思います!
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