フランス語には前置詞とセットで覚えた方が良い動詞がいくつかあって、例えば「parler de」だとか「penser à」だとか、大体deかàのどちらかとセットで、それはもう覚えてもらうしかないのですが(フレーズで覚えると楽!)、たまにそのセットの前置詞がつくときもあればつかないときもある、というような動詞があり、今日はその中のchangerを紹介したいと思います。
changerという動詞
changerといえばフランス語を知らない人でも「チェンジという意味かな?」と推測できると思うのでこの動詞自体はなんら難しくないかなと思います。意味もチェンジ、変えるという意味ですね。フランス語学習者は「電車を乗り換える」という「changer de train」で最初に目にする人が多いのかなと思います。冒頭でも説明した通り、変えるという動詞と電車という名詞の間に「de」が入り込んでいます。こういう時に授業で言われるのが「deが入りますがそういうもんです。このままセットで覚えてネ」というようなことだと思うのですが、これはもうその通りです。セットで覚えるのが一番!ただこのde、先ほども言ったようにつかないときもあるのでその違いの紹介です。先に言っておくと、つけることの方が多いとは思います。
deがいるとき・いらないとき
つけるときとつけないときの違いは結論から言うと「変える」という意味の違いで、それは「取り替える」なのか「内容を変更する」なのかです。
これはある電車からある電車に乗り換える時に使うので、AからBに取り換える、つまりdeが入ります。
これはなんだか一見「内容を変更する」っぽいのですが、やっぱりAという名前からBに変えているわけなので、deが入る方です。
これは逆にAの習慣からBの習慣に変えるんじゃないの?となりそうですが、習慣というものの内容を変更するからdeは入らないのです。こんがらがってきましたね。わたしも。
もっと分かりやすく同じ単語で比較してみましょう。
プロジェクトを変更しよう、という意味ですが、前者はdeが入っているからAからBに変える、つまり「今のプロジェクト案は捨てて新しい案を採用しよう」というような感じ。後者はles projetsの内容を変更する、つまり「このプロジェクトのこことここがよくないからそこを変更しよう」というような感じ。後者はmodifierなんかの動詞で置き換えられます。
もうひとつ説明でよくある比較。
お気づきの通り、前者は旦那さんAから旦那さんBに変わっています。人が違う!でも後者は旦那さんAのまま、性格や趣向、ファッション、顔、何か分かりませんが、とにかく変えさせたというニュアンス。
changerを使った表現
changer deの説明は大体ここで終わるものですが、今日はもうちょっと深堀りしてみましょう。その前にchangerを用いた使える表現をいくつか。
もう少し深掘り…
ではもう少し進んだ話を。
正直changer deについては、掘れば掘るほどよく分からなくなってきます。車を替えるは「Je change de voiture」だなということは上記の説明を理解すれば分かるのですが、そこで何故か現れる「changer l’ampoule」。ampouleは電球です。電球を改造しているのではなく、電球AからBに変えてるからdeがいるんじゃないの?という素朴な疑問。でもいらないようなんです。「changer les draps」も言えるようです。こちらもシーツAからシーツBに変わってるやん…と思うのですがdeを入れるより定冠詞や「Je change mes draps」のように所有形容詞で言うことの方が多いよう。こういう消耗品で、電球が切れたからとかシーツが汚れたからとかいう理由で交換の必要がある場合はdeをつけずに言えるのかなあという予想。ネイティブたちが議論している掲示板などでも結構曖昧だったり意見が分かれる文章もあったりするので、パキっとした結論をお伝えできないのが残念なのですが…
言語は生き物、一筋縄の論理では説明できないのが厄介でもあり楽しいところでもありますね。
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