toujours pas と pas toujours

文法
文法

高校時代に習う英語の文法「部分否定」を覚えていますか?「~なわけではない」みたいな訳され方をする、結構ややこしい文法項目ですが、フランス語にも存在します。「部分否定」という名前はひとまず置いておいて、タイトルの「toujours pas」と「pas toujours」の違いについて考えてみましょう。

「toujours pas」と「pas toujours」の違い

Il n’y a toujours pas assez d’eau. (十分な水が相変わらずない。)
Il n’y a pas toujours assez d’eau. (十分な水が常にあるわけではない。)

前者は「toujours」を抜かした文章「Il n’y a pas assez d’eau.」の訳である「十分な水がない」に、「toujours」の「相変わらず」という意味が加わって、「(前からなかったし、今も)相変わらず十分な水がない」ことを表します。一方後者は「pas」が「toujours」を否定して「いつもではない」ことを表します。「いつも十分な水があるとは限らない」というような意味ですね。冒頭で言っていた部分否定がこれにあたります。

使い方

例えば「彼氏できた?」と聞かれて「相変わらずいないよ」と答えたかったら「Toujours pas !」ですね。「欲しいって言ってたあの車買ったの?」「Toujours pas !」、「もう30分経ったけど…そろそろお化粧終わった?」「Toujours pas !」こんな感じ。「相変わらずまだですよ」的なニュアンスですね。

一方「いつもスカートを穿いてるの?」「pas toujours.」、「毎晩フランス語を1時間も勉強してるの?」「pas toujours mais oui !」のように、「いつもじゃないけどね」はこちらです。もちろん「Je ne porte pas toujours une jupe」とまるまる文章を言ってもOKですが、こんな風に省略した方がそれっぽいですね。

「vraiment pas」と「pas vraiment」の違い

全く同じように、この2つにも違いがあります。「Tu aimes ce garçon ?」という質問に「Vraiment pas」と答えると「pas」という否定を「vraiment」が強調して「本当にそうではない=マジですきじゃないよ!」になりますし、「Pas vraiment」は「本当に」が否定されて「あまり好きじゃないよ」になります。両方否定であることは変わりませんが、かぶりを振って否定してるのが「Vraiment pas」で、好き嫌いというよりむしろ興味ないかな、といった感じに答えるのが「Pas vraiment」ですね。

「Pas vraiment」は要するに「あんまり」という意味なので、これは結構使えます。「Tu as aimé ce film ?」「Mm…pas vraiment.」(「この映画、よかった?」「んー、そんなに」)とか、あとはもちろん文章で「Je n’ai pas vraiment envie de partir à Paris.」(わたしはあんまりパリに行きたくない)とか。「Vraiment pas」より使いどころが多いです。是非使ってみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました