「ザギンでスーシー」というと、わたしが生まれる前のバブルの匂いがしますが、フランス語版「ザギンでスーシー」はむしろチョー若者言葉です。そう、フランス語にもこの「ある言葉をひっくり返してできた言葉」というものが日本語同様存在し、とってもよく使われています。「Verlan」と言いますが、今日はそれについて見ていきます。
Verlanとは
そもそも「Verlan」という言葉自体がVerlan=ひっくり返し言葉です。
元は「逆さ」と言う意味の「l’envers」が「vers」と「l’en」の順番になって「verlan」になりました。Verlanの最も簡単な例は「cimer」です。「ci」と「mer」なので、「merci」、ありがとうの意味ですが、若者っぽく言うなら「cimer」というワケです。
若者と言っていますが、例えばわたしはフランスの大学に行きましたが、実際「cimer」と誰かが言ったのを聞くことはほとんどなかったです。Verlanを使わないぞというポリシーのもと、所謂正しいフランス語を使おうとしていた人が周りにいたというのは一つの理由だし、高校卒業から時間の経った大学生が周りに多かったという年齢の要素もその理由だろうし、もちろん使う人もいたのだろうけど、例えばクラス内では使わずに友達と飲んでる時には使うかも、というような人もいただろうというのも理由です。若者と言っても高校生とかそんなイメージの方が近いかもしれません。でも30近くても使ってる人もいるので一概には言えない。
チャラついたフランス語であることは確かです。でもあらゆるVerlanがそうであるかと言うとそうでもないとも思います。大人でもverlanであることすら意識に上らず使っているほど普段の言葉になってしまったものもあり、本当に単語や人によってその位置づけはまちまちだと思います。フランス語学習者としては、わざわざ使う必要は別にないと思いますが、その単語をVerlanにすることのニュアンスが分かっていてそうしたければ、別に使えばいいと思います。私は使ったことないな。
Verlanクイズ
わたしがフランスでよく聞いたこれらのverlan、元の単語を予想できますか?
- ouf
- relou
- teuf
- meuf
➀の「ouf」は割とそのままで、答えは「fou」です。英語で言うクレイジーですね。「C’est un truc de ouf !」(激ヤバやん!)、何度聞いたか分かりません。
➁「relou」はひっくり返すと「loure」、音はそのままに綴りを整えて「lourd」(重い)となります。人に使うと「面倒な」という意味になるので「Il est un peu relou.」で「彼ちょっとダルいよね…」という意味になります。ちなみに「chelou」というverlanも正しくは「louche」で「変な、怪しい」という意味ですが、わたしは「chelou」という単語は何度かききましたが、「louche」という単語をフランス人の口から聞いた覚えがありません。たぶん。それこそ変な話ですが。なので、たまにどっちがverlanだか分からなくなります。
➂「teuf」、➃「meuf」は少し難しめ。これらは「fête」や「femme」が本来の形です。こんな風に単純に入れ替えるだけでなく、発音しやすく音が変わることはよくあります。
Verlanについてのおすすめビデオ
Verlanについてはこのビデオが分かりやすいです。字幕が自動生成のものしかありませんが、視覚的にも比較的分かりやすく作られています。2分過ぎからverlanテストもあるので是非。ビデオ内にもありますが、すべては「question de feeling」なのです。
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