フランス語を勉強し始めて、割とすぐに出会う「é」「è」「à」「û」「î」など、見慣れたアルファベットの上にアクセントが付いたもの。これ、意外と「一体何なのか」を説明してくれるテキストや入門書が少ないような気がします。英語に慣れていると、「これは抑揚をつけて読むというアクセント記号なんだろうか…?」と思う方も多いんじゃないかと思うんですが、フランス語では「まずは基本的に気にしなくていいもの」と思ってもらっていいです。
フランス語のアクセント
まず、フランス語には以下の4つのアクセントが存在します。
- 「é」のaccent aigu(アクサンテギュ)
- 「è」のaccent grave(アクサングラーブ)
- 「ê」のaccent circonflexe(アクサンスィルコンフレックス)
- 「ï」のtréma(トレマ)
- 「ç」のcédille(セディーユ)
名前を覚える必要はまあそんなにありませんので、「アクサンスィルコンフレックス」にビビらないように。「山のアクセント」の認識で十分です。
英語のようなアクセントはフランス語にはない
そもそもフランス語には、英語のように「television」なら「tel」の部分を強く抑揚をつけて読まないといけませんよ、というようなルールは存在しません。「(1つの単語内における)アクセント」というものはないわけです。アクセントというのは母音につくものですが、フランス語においては単語内のどの母音も均等な長さで発音します。英語なら「テー↑レビジョン」となるところが、フランス語では一定のテンションで「テレビジョン」でいいというわけですね。辞書を見て頂ければ、英単語にはアクセントはここですよという記号がついていますが、フランス語にはそれがないことが分かります。(といっても文章や句という単位で見ると高低のアクセントはありますが、まあ最初はあまり深く考えずいきましょう)
同音異義語の区別に役立つアクセント
ということでフランス語のアクセントのついた文字というのはアクセントをつけてくださいという記号ではなく、発音に関係します。が、しないものもあります。
まず、アクサングラーブのついた「à」「ù」とお山のアクセントの「â」「î」「û」「ô」に関しては、発音にも関係がないものと思ってもらってOKです。厳密に言うと少し発音が変わるとされるものもありますが、フランス語学習者からしたら「何が違うの…?」となるぐらいの違いですし、ネイティブでも地域や話者によって微妙なところなので気にしなくて大丈夫です。「à」「ù」は特に同音異義語の区別に役立っています。例えば「ou」と「où」は「もしくは」と「どこ」という全く別の単語ですので、音は一緒でもせめて綴りでは違いが分かるように後者にはアクセントがついています。
発音に関係するアクセント
「e」にアクセントの付いた「é」「è」「ê」については、発音が変わるので注意してほしいアクセントになります。ただ、発音が変わるのはこの「é」「è」「ê」の3つで変わるのではなく、「e」とアクセントがついてない時と「é」「è」「ê」とアクセントがついている時で変わります。
「é」「è」「ê」のアクセントがついているものは必ず「エ」と発音されます。厳密に言うと「エ」と一口に言ってもこの3つでも一応発音の違いはあるのですが、「何が違うの…?」シリーズの一つですので、まずは無視してOKです。というか、気にせず発音しても99パー理解してもらえるのでまずはどころか一生無視しててもいいと思います。まずは、とにかくアクセントがついている「e」は「エ」と読む!ということを気にしてください。
アクセントがついていない「e」は「エ」と読める場合もあれば、ほとんど発音されない場合もあります。こういう時は「エ」と読みましょう、というようなルールもあるのですが、それを覚えるのも、それを考えながら単語を読むのも面倒な上に大変なので、「merci」はメルシーだし「je」はジェではなくジュだし、と単語ごとに何も考えず覚えればいいと思います。
まとめ
- 「a」「i」「u」「o」についたアクセントは基本的に同音異義語の区別に役立つのみで発音もアクセントも関係なし
- 「é」「è」「ê」と「e」にアクセントがついている時は「エ」と読むしるし
他のアクセントのついた文字については次の記事でお話しようと思います。
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