フランス語はとにかく見た目と実際の発音の差が激しい言語だと思います。「clef」と書いて「クレ」、これ普通に考えておかしいですよね。マジでなんでfがあるんやと、あらゆるフランス語学習者が思ったし、思っていると思います。そんな謎のfもフランス語を学ぶにつれ愛おしくなってくるものですが、今日はそんな読まれないアルファベットの話を。
読まれない語末の子音
まずフランス語を学ぶと最初の方に「語末の子音は基本的に読みませんよ」というようなことを言われると思います。chat、comment、japonaisなどなど。ただ、この「基本的に」がミソで、「でも読まれることもあります」とその後に言葉が続きます。読まれることもあるし読まれないこともあるなんてそれじゃあ結局何の情報も得られていないじゃないか!というのはごもっともなので、更にこう続けることが多いです。「読まれやすい子音として、C、R、F、Lがあります。carefulと覚えるといいですよ」その通り、bonjour、travail、sacなどは語末の子音が読まれていますね。あれ、でも冒頭で話していたclefは?ということで、更に言葉は続きます。「ただしこの4つの子音についても読まれない場合もありますよ」
ということでフランス語は
- 語末の子音は読まれない
- でも読まれることもある
- その中でもC、R、F、Lは読まれやすい
- ただし読まれないC、R、F、Lもある
こうしてまとめると本当に何の情報にもなってないですよね。フランス語っておもしろいなあ!!
同音異義語の区別に役立っている
ただこれらの読まれない子音は同音異義語の区別に役立っています。という点からみると、日本語における漢字を学ぶ日本語学習者も同じイライラを感じてるんだろうなあと想像できますよね。簡単に調べたところ、「こうしょう」という言葉には48もの漢字が当てはまるらしいです。ちなみに今この文章で「かんじ」と打つ度に、「感じ」の方が出てきて「そっちじゃない~」となっています。感じ、漢字に幹事…日本語もよっぽどややこしいです。
というわけで発音されない子音によって区別される同音異義語をいくつか紹介。
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- le porc / le port :「豚」と「港」
- le vin / vingt :「ワイン」と「20」
- le poids / le pois :「体重」と「エンドウ豆」
- la voix / la voie :「声」と「道、駅のホーム」
- le cours / le court / la cour:「授業」と「テニスのコート」と「庭」
- le foie / la fois / la foi :「肝臓」と「○回の回」と「信頼、信仰」
名詞の性が異なるものもありますが、単語自体の発音は一緒です。例えば試験の長文などではこの辺りの単語をごちゃごちゃにしないように、そして書き取りのディクテ問題などでは区別して書けるようにしておくといいですね。
今回は発音されない子音によって区別される同音異義語でしたが、「compte」(計算、講座)、「comte」(伯爵)、「conte」(物語)のように他にもたくさん同音異義語はあるのでまた次の機会に紹介します。
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