2つの子音の前の「e」の読み方

発音
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フランス語の「e」の読み方には細かいルールがあります。「単語の最後のeは読まない」とか、「単語の最後の子音の直前のeはエと読む」とか色々面倒なのですが、その中に「2つの子音の直前のeはエとは読む」というルールがあります。

eを『エ』と読むとき

  1. eにアクサンがついているとき:clé
  2. eが語末の子音の直前にあるとき:ballet
  3. eが連続する二つの子音の前にあるとき:merci

と、こういうルールが存在しています。intéressantは最初のeは子音が後ろに一つしかないので、アクサンをつけて「エ」と読ませ、2つめのeはssという子音二つの直前にあるので「エ」と読みます。

と、そこである生徒さんから質問がありました。

téléphonerにはなぜどちらにもアクサン?

téléphonerという動詞にはどちらにもアクサンがついていますが、よくよく考えれば一つ目のeはアクサンがあっていいとして、二つ目のeはphという二つの子音の前だからアクサンがなくってもいいはずじゃないか、という質問でした。実際わたしもそれについて疑問に思ったことがなかったので、初めて改めて考えて見たのですが、答えは「なぜ子音二つの前だとエと読むのか?」というこのルールの本質を考えれば見つかりました。

ちなみにこういう単語は探せば実はたくさんあって、éléphant, règne, sécherなどなど…共通点が分かりますか?

なぜ子音二つの前はエと読むか?

それには音節の分け方が関係しています。音節は、1音節にひとつ母音が来るように分けられます。étéという単語ならé/téという感じですね。cultureという単語なら、cul/tureとなります。二つ目の音節に母音が2つ入っているように見えますが、実際にはこの最後のeは発音されていないので、1音節につき1母音というルールを破っていません。また、ltの部分のように子音が二つ並ぶ場合にはその間で切るというのが基本的なルールです。

ではtéléphonerを音節に分けてみようということで分けてみると、té/lé/pho/nerになるのが分かりますか?このphは連続する二つの子音ですが、té/lép/ho/nerと分けることができないのは分かりやすいのではないでしょうか。phはそれ一つで[f]の音を出しますので、分けてしまっては音が変わってしまいます。もしtélephonerという綴りだったとしたら、té/le/pho/nerという音節に分けられ、アクサンのないleだけでは音節は「ル」と読まれますので「テルフォネ」という音になってしまいます。「テレフォネ」と読ませたいなら、アクサンがなければいけませんね。

これはphが[f]という音になるのと同様に、gnやchなどの二つで一つの音を作り出す複合子音に当てはまるルールとなります。

まとめ

というわけで、éléphantやrègne、sécherにもアクサンが必要なのです。このルールを知っていると、あれこの単語アクサンいるんだっけ…?と忘れたときに自分で気付きやすくなりますね。

ちなみに、célèbreにもアクサンがいるのですが、これは変だと思いませんか?cé/lèb/reと音節に分けられそうですが、実はこれもcé/lè/breと音節分けされなければいけません。phやgn、chと同じく真ん中を音節で切ることのできない子音郡なのです。

フランス語の発音ルールって最初は本当にアナーキーな感じがしますが、実は決められたことにしっかり則った例外の少ないものだと思います。わたしからすれば英語の発音ルールの方が100万倍謎ですが、こうやってしっかり紐解いていけば分かりやすいものなんでしょうか…

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