もっと自然なフランス語で話したい!

表現・語彙
表現・語彙

今日は「(ほぼ)間違っているってわけでもないんだけど、こういう方がもっと自然ですよ」というフレーズを紹介します。どうしても日本語が母語だと日本語ベースでフランス語を話すことになりますので(少なくとも大人で最初は)、日本語からの訳に近すぎて「もっと自然な言い方ができるのに…」ということがレッスンでもたまにあるので、それをいくつか挙げてみました。もっと思いつけばシリーズにしてみます。笑

まだ決めてない!

「週末何するの?」「うーん、まだ決めてないです」というやり取り、日本語からそのまま訳してしまいがちですが…

ネイティブの口から自然に出るのは決めるという動詞を使った上の文章ではなく、「まだ分かんない」の下の文章が圧倒的に多いのではないかなと個人的には思います。これ、もちろん、「ご注文をお伺いします。お決まりですか?」に対しては「Je n’ai pas encore décidé !」で問題ありません。なんかこう「週末何するの?」とか「映画館に行くって言うけど何見るの?」とか「髪色変えるんだ、何色にするの?」みたいな軽い会話の時の話です。そしてそういう場合の「Je n’ai pas encore décidé !」が間違っていると言いたいわけではないので注意です。文法的にも状況的にも間違いじゃないのですが、もっと自然な言い方が下の言い方かなあ~というお話です。

きみの目はきれいだね

言うタイミングがあるかどうかはさておき、これもなんだか比べると面白いなあと思います。

上の文章も全く問題なく正しいですし、使って問題ないのですが、ネイティブが自然に言うのは下の言い方かなあと思います。もちろんネイティブも上の言い方をすることもあります。ただ「君の髪は綺麗だね」も「君は綺麗な髪を持ってるね」とavoirを使った言い方の方が(無意識に)好んで使われているように思います。この言い方の違い、言語の性質的な違いがあって調べると面白そうですよね。

友達に東京で会ったんだ

これもよくある間違い…のようなそうでないようなものです。

日本人学習者は友達に会ったことをvoir mon ami(e)と言ってしまいがちかなと思います。間違っていないのですが、amiは「私の」のmonをつけると恋人の意味合いが強くなります。「J’ai vu mon ami(e)」と言われると、「ただのお友達なのか、恋人なのか、どうなんだ…」と思ってしまいます。恋人なんだったらmon petit ami/ma petite amieとpetitを入れれば確実に恋人の意味になります。友達なんだったら解決策は二つ、mon amie Eriと名前をつけて「エリという友達」と言うか、une amieと「私の」を取って不定冠詞を付けるか、のどちらかです。友達に会ってる時点で他人の友達に会うことはそうそうないし、わざわざ自分のって強調しなくてもいいんだ、と思うと良いかもしれません。

ちなみにmon copain/ma copineも恋人の意味で使われますが、un copain/une copineと不定冠詞にすればただのお友達になります。普通恋人と言うならこのmon copain/ma copineが疲れます。じゃあ恋人って意味のmon amiはいつ使うの?というと例えばちょっと保守的な自分のおじいちゃんおばあちゃんに「こちら、わたしのお付き合いしている人です」と紹介したいときなどでしょうか。笑 

たらふく食べました

これもよくある間違い…とはあんまり言いたくないですが、一応文法的には間違いになると思います。

なんでそこに来るねん、って感じですよね。beaucoupは品詞で言うと副詞ですが、副詞の定位置は「動詞の直後」です。この場合はavoirという動詞の直後が正しい位置であって、mangéという過去分詞の直後は正しくない位置となります。100%通じますし、副詞が必ず動詞の直後に来なければいけないかと言うとそうではないので、間違いとまで言いたくないですが、beaucoupを間に入れて言えるようにしておけると嬉しいですね。

寒くなってきた

これに関しては上の文章はわたしは間違い扱いしています。状況次第では伝わる可能性もあるかと思うのですが、今までの文章と比べたらかなりブロークンなので間違いということで。

日本語の「なる」という言葉は本当に便利で、「悪くなる」「食べたくなる」「夏になる」、いろんなことを言えますが、このどれも「なる」の訳であるdevenirでは言うことができません。devenirは「先生になる」のような「なる」が基本の使い方です。「~になってきた」という時は「~し始めた」という意味のcommencer àを使うととっても自然に言うことができます。「Je commence à être fatigué」=疲れてきた、とか、「Je commence à m’inquièter」=心配になってきた、とか、「Je commence à comprendre」=分かってきた、とかとか。

ちなみに「寒くなってきた」という文にfrais=涼しいという言葉を使っていますが、わたしの想像している状況は「6月のフランス、お昼間は太陽が出ていて暑かったんだけど日が傾いてきて半そでだとちょっと寒いかも…」みたいな感じです。日本語では「寒い」でもフランス語ではfroidを使うとちょっと言い過ぎなこともあるので、fraisを使っています。

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