パリから数泊してゆっくり旅、第二弾はストラスブールとコルマールでした。旅の様子をまとめます!
Strasbourg
ストラスブール:基本情報
パリからぐぐっと東へ400kmほど、TGVで東駅から2時間弱でつきます。TGVは往復60€ちょっとでした。フランスで7番目に規模が大きい都市だそうで、実際街を歩いていても大きいなあと言う印象でした。
ストラスブールシティカード
ストラスブールには着いた日の午後と次の日まる一日いたので、ストラスブールシティカードというのを購入してみました。ネットだと5€で買えるのですが、指定日から1週間有効で、このカードを見せれば対象施設が割引料金で利用できるというカードです。今回わたしは
- ガイドツアー×2 3,50€の割引×2
- バトラマのクルーズ 3,14€の割引
- ノートルダムの展望台 4€の割引
- 美術館×2 4€の割引×2
の恩恵を受けられたのでかなりお得なカードだと思います。ガイドツアーに参加しなくても、クルーズと展望台に行くだけでも元は取れるので、買って損はないかなと!オンラインで購入して、当日観光案内所で引き取りが可能です。
ガイドツアー:ノートルダム大聖堂ツアー
初日はノートルダムに関するガイドツアーに参加しました。参加者はわたし含めて4人と少なめ。90分でカードを使えば8€で参加できます。
写真に収まりきらないほど見上げるストラスブールの立派なノートルダムです。このツアーではその外観と中身の解説などをしてくれます。ガイドさんは40、50代の男性。かなり良いツアーでした!
4人だけでしたが、大聖堂に入ることもあって、中で大声を出せないのでイヤホンをもらってツアーが始まりました。4人だけなのでイヤホンは中で使うだけにしましょうとのこと。普通の教会と明らかに色が異なるこの大聖堂は砂岩でできているそうです。ツアーの前に大聖堂の周りを歩いていた時、「目の前の広場(フランス語でparvisと言います)が狭いなあ、そのせいで引きの写真が撮れない。パリのノートルダムとかは前がもっと広々してるのに…」と思っていたのですが、ガイドさんがこのparvisは中世のころのままの広さを保っているのだよと言っていてナルホド~となりました。こうやってガイドの前に疑問に思ったことを回収してもらえるの、すごく好きです。
尖塔が1つしかないのが特徴ですが、これは予算の問題で作れなかったそう。一時期は世界で一番高い教会だったそうです。
大聖堂の南側にある模型を見ながら建築の歴史について話してくれた(作っている途中で建築家が「今はこれが流行りだから!!」と突然建築様式を変えた、とか)後、南側の扉の前にあるl’égliseとla cynagogueの像を解説してくれました。上がl’église、つまり教会を表す女性で、下がla cynagogue、つまりユダヤ教のシナゴーグを表す女性だそう。イエスをキリスト、つまりメシアとして認めないユダヤ人を批判する目的で、折れた槍と旧約聖書を持たせ、目隠しまでさせた「antisémite(=反ユダヤ)な銅像」とのことでした。ガイドさん曰く「ユダヤ批判をしているにしては脚の曲線などあまりにも美しく掘られすぎている。きっと彫刻家が自分の彼女をモデルにしたんだろうね」なんて笑って言ってました。ちなみにこれはレプリカで、本物は後述のルーブルノートルダム美術館で展示されています。
それから正面のファサードの像についても説明をしてくれました。こういうの、知らないと全然分からないけど知るとめちゃめちゃストーリーがあってとっても面白いです。
マタイによる福音にかかれている話のようで、マジで何も詳しくないので調べながら記憶の整理のために書きますが…当時、結婚の儀をするにあたって、花嫁はランプを灯す必要があったとかで、このランプを灯すには油が必要でした。
ファサードの右側にいる、ガイドさんの言葉を借りると”les femmes intelligentes”=賢い女性たちは、予備の油を用意していたので、問題なかったそう。彼女たちは油をこぼさないようにランプをまっすぐ持っているのが分かります。
一方ファサード向かって左側の女性たちは用意周到ではなかったため、油を切らし、街へ油を買いに行っている間に花婿が来て儀式に間に合わなかった、という話があるそうです。右の二人はランプを落としていたり、傾けてもう油がないことを示していたりします。左から二番目の女性”la femme folle”=狂った女性は、もう自分がおろかだったことすら分かっていないほど狂っているらしく笑、逆にニコニコです。その左にはりんごを彼女に差し出さんとする美男子がいますが、彼のマントの後ろには蛙やヘビがうにょうにょしており、彼がほんとは悪いやつだというのが見る位置を変えると分かるというわけです。詳しくは「マタイ福音書25章」とかで調べると出てきますよ。
と、とっても面白いお話を聞き、その後正面ファサードのキリストの磔刑までの彫刻の解説も聞いた後、中へ入りました。
私は中より外のお話の方が面白かったのですが笑、中も素敵です。
わたしはレッスンでよく「フランス人は本当になんにでもsympa(=感じが良い)という形容詞を使いますよ。人に使うのはもちろん、『あのカフェサンパだったよね』とかわたしがそれにも使うの?と驚いたのは『今日のお散歩サンパだったね』とか」と話すのですが、ガイドさんがこのマリア像にも”Elle est vraiment sympa.”と言っていて、いや分かるけど!と面白かったです。普段マリア像は静かに微笑んでいたりするのが多いけど、手を大きく広げて歓迎を表しているこの像はサンパだと。ちなみにこれは地上にいる時ではなく天上に行った後のマリアとイエスらしいです。だから堂々としているのだとか。
ノートルダムの天文時計
これも大きくて全部撮りきれないのですが。今日の日付や時刻だけでなく、天体の様子が分かったり、15分おきに人形が出てきて15分なら鐘を一回、30分なら二回…と慣らしてくれる時計です。
教会の下は地下水があるらしく、ここにお金を落とすと、その水まで届いて、そこの船に乗っているコウノトリに届くので子供を授かる、と言われているらしい穴?です。「このお金は電気代などにあてているよ」とガイドさん。
ちなみに地下水は満杯になっているはずなのでコウノトリが乗った船があるのは難しいはずです。地下水が減って空間ができると、濡れていた砂岩が渇いてヒビが入って…ということになるそう。ちなみに今はノートルダムを運営する財団が「砂岩でできたこの大聖堂と気候変動の関係」についての研究を行っているそう。砂岩と言えど砂ですからね…石より崩れるリスクは高いはずですよね。
他にも色々お話を聞きましたがこのくらいで。教会内でイヤホンを返して終わりました。とっても素敵なガイドさんとツアーで大満足でした!
アルザス博物館
以前オンフルールに言った時民俗博物館みたいなものを意外と楽しんだので、ここにも行ってみました。カードを提示したらそれだけで「どうぞ」とチケットを渡されたので「C’est gratuit ?」(無料なの?)と訊いたら、工事中で見られない部分があるから無料なのだそう。カードがあったから割引料金から無料になっただけで、基本料金の人は割引料金になるのか、みんな無料なのかは謎です。この後ガイドツアーがあったので、”La visite, ça se fait en une heure ?”=1時間で回れますか?と訊いたら”Oui, même moins”=むしろ1時間もかからないかも、と言われましたが個人的には1時間でギリのボリュームでした。時間があったらもうちょっとゆっくり見たいくらいでした。面白かった。全部のお部屋が見られたならもっとかかってただろうな。
その名の通り、アルザスの人々のかつての生活を展示している博物館です。家具とかお部屋の再現とかキッチンとか。
建物もなかなか可愛らしくって、日本式3階くらいまであって、板張りの床をキシキシ言わせながらいろんなお部屋を回れます。正規料金は7,50€で、楽しめるか分からなくて迷っている人にはいまいちな値段な気がしますが、カードを持っていれば3,50€になるので、この値段ならまあいっかという気分で入れるのではないでしょうか。わたしは楽しかったです。
ルーブルノートルダム博物館
Louvreではなくl’œuvreです。ノートルダムの運営をしている財団?の博物館で、先述のノートルダムの像の本物が見られます。
ガイドさんが一押しだったので行ってみました。ここ、後述のノートルダムの展望台に上るとそのレシートを見せれば正規料金の人は割引料金に、割引料金の人は無料になるというサービス!料金は上記のアルザス博物館と同じく、基本7,50€、割引で3,50€です。ノートルダムの展望台に上ったならぜひ行ってみてほしいです。近距離で見る像に感動しました。
ノートルダム大聖堂展望台
ここもガイドさんと、ガイドに一緒に行ったマダム二人にお勧めされました。正規で8€、割引で4€です。まず高所恐怖症の人には絶対にお勧めしません。わたしは別に自分が高所恐怖症だなと思ったことは特にないのですが、結構怖かったです。この町全体を眺める景色が怖いのではないのです、上る過程が怖いのです!
この写真で伝わりますか?階段はずっと螺旋階段なのですが、こんな風にぴゅ~っと風が吹き抜ける感じになっています。見てわかる高さで、足元もぴゅ~っという感じなので、結構怖いです。絶対落ちないのは分かってるんだけど、今私が上っているのは砂を超圧縮したカタマリ…とか思いつつ風を足元に感じるとなかなかビビりました。この吹き抜け式?になっているのは割と上の方です。自信がない方はやめておいてもいいかもしれません。330段です。降りていると英語を話すマダムたちに「お先にどうぞ。そのヒールでどうやって降りてるのか謎だけど…」と言われました。笑
バトラマクルーズ
ストラスブールを流れるイル川のクルーズです。割引料金で12€ちょっと。75分の旅です。ストラスブールシティカードを使いたい場合、ネットでの予約はできないので現地での予約になります。また当日の予約しか現地では受け付けていないようなので、ノートルダム大聖堂の広場にあるバトラマのオフィスへ行って予約する必要があります。またストラスブールシティカードを使用の場合は11時15分までに出発、もしくは17時以降に出発の船しかダメらしいです。船の上が開いているタイプと閉まっているタイプがあり、私は開いている方に乗りました。
わたしからのアドバイスとしては必ず帽子とサングラスを持って行くように!!です。75分直射日光を浴びるので、ないとかなり辛いと思います。目の前の女子高生はパーカー被って友達の膝で寝てました。それから乗り場には15分前に来るようにと言われるのですが、もうちょっと前から待っていてもいいかも。日陰で待機しておいて、人が並びだしたら乗り場に並ぶ、ぐらいの感じで。たぶんほぼ満席だったのですが、着くのが遅いと壁際に座れなかったり、最悪連れと席が離れたりするかなと思います。日本語オーディオガイドはありますが、個人的にあんまりおもしろい情報は得られませんでした。ツアーで一緒だったマダムたちも「昨日やったけど、ん~、moyen(まあまあ)ね」と言ってました。遊覧、という意味では楽しいですが、何かを学べるオーディオガイドってほどでもないかな。
水門で水が溜まって船が上がって行くのとかは面白いです。
わざわざ行かないかな…という距離にある欧州議会の建物なども見られるので嬉しいですね。週末に欧州議会選挙を控えていました。
ガイドツアー:La Petite France
2日目は2つ目のガイドツアーに参加しました。La Petite Franceというストラスブールで人気の地区をめぐるツアー。ノートルダムのツアーと違って15人くらいの参加者がいてガイドはマダム。La Petite Franceのツアーのつもりで行ったので、それまでは自分で行っていなかったのですが、ガイドは思ったよりLa Petite France以外の部分で時間が過ぎました。笑 マダムの語り口は面白かったし、全然つまんなかったわけではないのですが、個人的にはノートルダムのガイドツアーの方が学ぶことも多くて面白かったです。こればっかりはガイドさんとの相性とかもあるんでしょうけれど。特にここに書き残しておきたいエピソードもなく…笑
ちなみにLa Petite Franceはなめし皮職人の居住区だったらしく、このように上が開いている家はなめし皮職人の家だそうです。乾燥させるための風通し用ですね。
La Petite France自体は可愛らしい街並みではありますが、逆に言うと街並みくらいしかないかな…個人的にアルザスのこの木組み=コロンバージュのおうちにメルヘンさとかトキメキをそこまで感じないので、ぷら~っと歩いて終わりました。
タルトフランベ
ストラスブールっぽいものはこれだけ食べました。アルザスの郷土料理で、言ってみれば生地がうっすいピザみたいなやつです。レストランだともうちょっとちゃんとした?のが食べられそうですが、わたしは一人だったし、一人でレストランに行く気にはならないので、このお店で7,50€で買って目の前のテーブルで立ちタルトフランベしました。その場で焼いてくれるので焼きたてではあります。でもこれで7,50€って地味に高いですね。普通においしいです。見たままの味ですが。
まとめ
1日目は12時頃ストラスブールに着いて、駅から40分のホテルまで歩いて行って笑、荷物を置いてからアルザス博物館とノートルダムのガイドツアーに参加したくらいでした。2日目は朝からクルーズの予約して、クルーズに乗って、タルトフランベを食べて、ノートルダムの展望台に上って、ルーブルノートルダム博物館に行って、ガイドツアーに参加して終了、という感じです。1日目が終わった段階で「ストラスブールってノートルダム以外見るところないのでは…?」と思ったのですが、まあ2日目も充実したのでよかったです。着いた日半日ストラスブール、翌日半日コルマールで夜帰る、だとなかなか厳しいというかもったいないなとは思います。かと言って、わたしはガイドツアーに参加したのでそれで結構時間がつぶれたのですが、ミュゼとかにも行かず展望台にも上らず…だったら、着いてクルーズ乗ってノートルダム見てLa Petite France訪れて、で半日で終わらそうと思えば終わらせられるかもとも思います。
ちなみに私が泊ったホテルはトラムに乗る必要がありますが、値段なりに設備もちゃんと充実していて結構満足でした。スタッフの人たちもみんなサンパだった。トラムはわたしは2度乗りましたが、アプリでチケットを購入しました。アプリだと1回1,80€でした。ちなみに2回目に乗ってる時にちゃんとcontrôleの人が来てチケットをチェックされましたのでお気を付けを。
Colmar
コルマール:基本情報・行き方
ストラスブールから南へTERで30分で行けます。これまたコロンバージュの可愛らしさで有名な街。TERは往復22€ほどでした。
街並み
ここはLa Petite Veniseと言われる地区です。ストラスブールのLa Petite Franceと同じく木組みの家が並ぶ可愛らしい地区ですね。ちなみに駅からここまで結構歩きます。ここもやっぱりお土産物屋さんとレストランしかないので、特に観光施設はありません。というかコルマール自体が特に観光施設のない印象でした…教会はいくつかあるのですが、なぜか2€払わされたり(払ったけど、2€ぐらいいいけど…)、開いているのかそもそも分からなかったり、なんだか…という感じでした。美術館はいくつかあったようですが、わたしがあまり興味ないので行かず、正直コルマールではかなり時間を持て余しました。旅行3日目で疲れていたのもあるのですが、10時半前について、12時過ぎには「もう全部周った…」とベンチでボーっとして、その後大雨がバーッと降ってきたので、屋内市場に避難して、雨が止んだ頃にまた町をプラプラしながら最終的にスタバに行って、そこで1時間ぼ~~っとして、最後にもう一周街をぷらっとして16時にストラスブールに戻る電車に乗りました。
周りに可愛い街があるのは聞いていたのですが、雨が降ったのもあったし、疲れていたのもあったし、コルマールにとどまることにしました。勝手な感想ですが、ストラスブールはカードがあって、あの施設行こうとか気軽に思いやすかったり、ガイドツアーもいろんな種類を週2のペースでやっていたりと観光しがいがあったのですが、コルマールは街のマップに施設の料金も書いてないし、ガイドツアーも全然頻度がないしで、観光しがいに欠けるなあと。。
モリセット
この旅で初めて知ったパンの種類、モリセットです。アルザスのパンのようで、アルザス名物のプレッツェル生地のパンです。
前日にストラスブールのPAULで夕食を調達したときに、小さくてちょうどいいやと思って買ったこのサンドイッチがまさにこのモリセットのサンドイッチでした。コルマールでは先ほどの写真の通り素のまま食べたのですが、素で食べると普通にプレッツェルのパン、という感じです。笑 でも美味しかった!普段食べられない・見られないものなので発見できてうれしかったです。
プレッツェル
oignon lardonsのプレッツェルを屋内市場で買って雨が止むのを待ちながら食べました。ちょっと日本の総菜パンみがありますよね。
まとめ
行く前は、気に入ったらクリスマス時期にまた来て見ようかなあと思っていたのですが、今のところ別にとりあえずいいかなあとも思っています。でもやっぱクリスマスに行くと違った楽しさがあるのでしょうが。個人的には文化的観光地としてストラスブールは楽しかったです。コルマールは街並みを楽しむような街だったので、一人で行くより誰かと行ってゆっくり過ごすのがよいんだろうなあと思いました。ということで初のアルザス旅でした!
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