パリ観光きろく:La Tour Saint-Jacques

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そこまで有名な観光地ではないこの「サンジャックの塔」ですが、わたしは行ってみて、初めてのパリ旅行の人にもぜひ勧めたい場所だなあと思いました。そんなサンジャックの塔の紹介です。

サンジャックの塔

パリのど真ん中、パリ市庁舎やシャトレ駅からほど遠くないところに50メートルほどの高さのある塔があります。サンジャックの塔公園の真ん中にあるこの塔、自由に見学したり上ったりすることはできず、ガイドツアーに参加することで上ることができます。ガイドツアーはフランス語と英語があるので、フランス語ができなくても英語が分かれば参加できると思います。

水曜から日曜までの10時から18時、5月半ばから11月半ばまでの夏シーズン限定で見学可能です。

ガイドツアー

公式サイトでチケットを買えばOKです。わたしは8月のハイシーズン?且つオリンピック中に参加しましたが、当日の数時間前にオンラインで購入できました。予定が分かっていれば事前に予約すればいいと思いますが、わたしはせっかくならお天気の日に上りたいなあと日を選んでいたので、当日の予約にしました。空きさえあれば現地での購入も可能です!大人ひとり12€です。

サンジャックの塔公園に公衆トイレと一緒に受付みたいな小さい建物があります。ここでチケットの購入が可能です。またオンラインで購入した場合も受付で自分の買ったチケットを見せましょう。チケットには「サンジャックの塔にて待ち合わせ」と書いてあるのですが、サンジャックの塔のどこで待てば!?という感じでちょっと困ったのですが、同じようにオンラインで買った人が受付でチケットを見せていたのを見たのでわたしも同じようにしました。そうすると、「この辺で待っててね、ガイドが来るから」とのことでした。所要時間は1時間です。

ということでガイドツアースタートです。わたしが参加した回はわたし含めて7人くらいでした。ガイドの女性が挨拶や自己紹介をしてくれた後、注意喚起として、300段上ることになるということと、50メートルの高さに行くので高所恐怖症などではないかの確認、上に上った時に身を乗り出さないようになどの注意がありました。面白いなと思ったのが、このガイドの女性だけでなくもう一人ガイドの女性が付いてくるとのことで、高さや段差で具合が悪くなった人がいたら一緒に降りられるためだそうです。しっかりしてるなあと思いました。

まずは塔の下に行って、この塔の歴史を解説してくれます。もともとは12世紀ごろにサンジャックドゥラブシュリ(和訳はお肉屋さんの聖ジャック)という教会がここにあり、16世紀初めにこの鐘楼が建てられたそうです。しかし18世紀末のフランス革命で取り壊されることとなりました。ただ、街の真ん中にあるこれほどの高さの塔は見張り台としても役に立ちますのでこの鐘楼だけは取り壊されることがなく、のちに「サンジャックの塔」と呼ばれることとなります。

塔の下に置かれるこちらの像は、気圧の単位に名を残すフランスの物理学者パスカルです。ここでパスカルが気圧の実験をした、と多くのサイトでも書かれているのですが、ガイドさんは「そんな記録はない」と言っていました。ないけど像作っちゃったもん勝ち、みたいな感じですね。

ここから塔を上ることになります。300段あるのですが、実際は60~70段を上がって途中の部屋で解説、またその後60~70段上がって別の部屋で解説、そして最後に150段ほど上がってパノラマへ、という感じでした。60~70段はそんなにつらくないですが、やっぱり最後の150段くらいがしんどかったです。

一つ目のお部屋には20世紀かな?に行われた修復の際に保存されたガーゴイルなどが展示されています。19世紀に時間とお金のないまま修復が進められたため、20世紀の修復の時は19世紀の塔ではなくそれ以前の塔の様子になるようにと修復された、というお話などを聞きました。

2つ目の解説のお部屋は昔鐘のあった部分のお部屋です。鐘はフランス革命時にバツンと文字通り切り落とされ溶かして武器へと変えられてしまったので今は何もありません。この塔は19世紀初め、驚きの使われ方をしていて、この高さを活かして上から液体の鉛を落とし、落下の時間に空気と触れて?鉛は丸い個体となり、狩猟用の球を作っていたそうです。しかしまあ鉛なので近隣住民に全然よくないのと、鉛を溶かすための炎を使っていたので、これまた近隣住民に全然よくない!ということで、その後パリ市によって買い上げられたそうです。その後は気象観測所として使われたそうで、そのころの名残としてなぜかたくさん並ぶアルコールの瓶や洗面台などが本当に当時のまま残されていました。

ちなみにこの写真のステンドグラスに見える上の紋章、NとFというアルファベットがデザインされています。これはニコラ・フラメルの頭文字だそうです。「ニコラ・フラメル」と言う名前にオーっと反応していたのはわたしと、もうひとり同年代くらいの女の子で、「ハリーポッター好きの人はみんな同じ反応をするのよね」と言いながらガイドさんがニコラ・フラメル(ハリーポッターではニコラスですがフランス人なので実際はニコラさん)が12世紀の教会建築の際の出資者だったこと、そういう所以で彼の名が刻まれていることを教えてくれました。ただしここに彼の名が刻まれたのはもっと後、19世紀のことです。それもそのはず、ここは本来鐘楼だったので、鐘の音を響かせるためステンドグラスなどが嵌っていたわけがないのです。19世紀に別の用途で使用するためステンドグラスが設置されたそうです。パスカルと言い、ニコラ・フラメルと言い、宗教的建築だったものをもっと科学的だったり文化的な建物にしようとしているのが分かります。

パノラマ

さて、最後に150段ほど上るとこのパノラマです!素晴らしいの一言に尽きます。エッフェル塔も、ルーブル美術館も凱旋門も、

ノートルダムもパンテオンも

モンマルトルも、何もかも見えます。360度!まさにパノラマ!ただただ素晴らしい景色です。パリにはエッフェル塔、凱旋門、モンマルトル、モンパルナスタワー、パンテオンなど高い位置からパリを見渡せる場所はいくつかあると思うのですが、すべてに行ったことがなくてもここが一番だろう!と思わせる景色でした。

パノラマではガイドによる解説は塔のてっぺんにいる像の解説のみにとどまり、あとは各々景色を楽しみ写真を撮る時間になります。十分楽しめたな、というぐらいの時間を持たせてくれた後、それでは降りましょうとみんなで階段を降りて(この時も「下ばっかり見てるとこわくなったり危なかったりするから目を散歩させてあげながら降りてね」とナイスアドバイス付きでした)、下で解散となりました。

エッフェル塔に上るくらいなら、エッフェル塔が見えるこちらに上る方が絶対にいいんじゃないかなと思うし、モンマルトルと違って街の中心からすべてを見ることができるこのサンジャックの塔、本当に素晴らしかったので、是非お勧めしたいです。ガイドも伝わっていないと思うけど興味深くおもしろかったです。

コメント

  1. Yuko Yamamoto より:

    Bonjour, Mahoさん.
    興味深く読ませて頂きました。
    正直、こんな所にこんな塔があったっけ!?です(笑)何度も通っている場所なのに!
    階段はかなりキツそうですが、エッフェル塔も凱旋門も見えちゃうんだったら、魅力的です👍
    次回のパリで行ってみたいです!😉

    • dejadeja より:

      Bonjour Yukoさん
      Rivoli通りを歩けば目につくはずの大きさの塔なのですが、なぜかスルーされてしまいがちなのかもしれません。笑
      わたしも帰国してまたパリに旅行に来ることがあれば絶対に上ると思います。
      階段のしんどさの何倍もの素敵な景色が見られるので、是非次回のパリで時期が合えば!
      本当におすすめです!

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