フランス映画鑑賞録『Casse-tête chinois/ニューヨークの巴里夫』

映画
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「スパニッシュアパートメント」「ロシアン・ドールズ」そしてこの映画の3部作はご存じですか?スパニッシュアパートメントは比較的有名かと思います。フランス人監督による映画で、主演は(ラプンツェルでユージーンの声を務める)ロマンデュリスです。ラプンツェルより「彼は秘密の女ともだち」の主演と言った方が伝わりやすいんでしょうか?まあとにかく監督・主演ともにフランス人でフランスでも割と有名なフランス映画なのですが、その三部作の三作目を(!)今日はご紹介します。2013年公開。

トレイラーから学ぶフランス語

まずはトレイラーを。3作目といってもこの作品から見ても全然問題ありません。むしろ2作目はそんなに面白くなかったので、3作見なくてもいいかも。(1作目はおもしろいです!)

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Pourquoi ça ressemble à ça, ma vie ?

(なんで俺の人生ってこうなんだ)

「ressembler à 人」でだれだれに似ている、という意味になるので「Elle ressemble plutôt à son papa.=彼女はどっちかっていうとお父さん似ね」なんて言う文章で使えるのですが、ネイティブはこれをものを主語にしても使います。その何かが「~のようだ」と言いたい時にこの動詞を使うわけですね。これは日本語から考えたら絶対出てこない動詞ですよね。ちなみにGoogleで「ça ressemble à quoi」と打つと検索候補で「les punaises de lit」が出てきました。こちらは最近流行りの?トコジラミのことです。「トコジラミってどんな見た目なんだろう」と思ったフランス人はressemblerを使ってこうやって検索したわけです。面白い動詞の使い方ですよね。

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Avant je trouvais que ma vie c’était pas simple, là maintenant, je me rends compte, bah… ma vie avant, c’était super simple.

(昔はなんて複雑な人生なんだって思ってたけど今は気付くよ、あの頃は全然複雑じゃなかったって)

「今」と言うとまずmaintenantが出てくるかと思いますが、この「là」も「今」という意味でよく使われます。こんな風に二つ合わせて使うこともあるので、例えば高速に乗った途端「お母さんトイレ…」と言い出した子供に「Là maintenant !?」と言えますね。また、se rendre compteで「気付く」という意味です。

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Je te connais par cœur, il faut que tu te tapes une meuf là !

(あんたのことはよく分かってるんだから、だれか女の子捕まえなさいよ!)

まずこのpar cœurは「暗記して」という意味があり、「Il faut apprendre cette poésie par cœur.=このポエムを暗記しなくちゃいけません」などという風に使えます。またこれにconnaîtreを付けると「~をすみずみまで知っている」という意味になります。この「Je te connais par cœur !」はよく使われるフレーズで、「君のことはよくわかってるんだから」とか「お見通しだよ」とかという感じで使われます。また、後半のse taperですがこちらはあまり綺麗な動詞ではなく、結構カジュアルな動詞で、何かをやる、食べる飲む仕事をする、それから女の子とヤる、など色々な意味になります。またune meufというのはune femmeverlanですので、ここはありのまま訳すと「女の子捕まえて寝なさいよ」と言っているわけですね。

映画について

3部作の3作目ですが、主要人物は3作通して変わっていません。1作目から見てもおもしろいのでおすすめします。1作目は主人公のXavier=グザヴィエが学生時代の話で、スペインに留学していて他の国からの留学生たちとアパートでシェアハウスをし(=スパニッシュアパートメント)、そこでまあすったもんだある話です。笑 マルティーヌという恋人役にオドレートトゥ、イザベルというレズビアンの親友役にセシルドゥフランス。 2作目はその5年後でシェアハウス仲間の一人であったイギリス人のウェンディ(ケリーライリー)とのラブストーリー。そしてさらに10年後のこの3作目はそんなウェンディと別れることになり、子供たちを連れてアメリカに行かれてしまったので、子供たちのために自分もニューヨークへ飛び、元恋人のマルティーヌ、親友のイザベル、子供たちの母親のウェンディとこれまたすったもんだするお話です。

お話も単純に面白いし(ワハハと笑える)、わたしはどうやらロマンデュリスのフランス語が好きなようで、映画を見ながら「やっぱりフランス語はいいなあ~」としみじみ思いました。ちなみにラプンツェルのフランス語バージョンも本当に何度も見るほど好きでお勧めです。ロマンデュリスのフランス語とユージーンのキャラがぴったりです。

U-NEXT、DVDなどでぜひ!

タイトルの意味

原題が邦題と違いすぎますが、この「casse-tête」というのは読んで字のごとく、「壊す・頭」で「パズル」の意味です。なのでタイトルは「中国パズル」になりますが、これはどうやら

こんな感じの木製立体パズルのことのようです。フリー画像でいいのがこれしかなかったので、気になればGoogleで画像検索してみてください。

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