フランス語には「否定のde」というものがありますね。「 りんごを一つ持っている」は J’ai une pomme. なのに、「りんごを持っていない」は Je n’ai pas de pomme(s). になります。これは多くの方が学習初期、 avoirという動詞を学んだ際に習うことだと思います。この「 否定のde」、否定文だからdeをつける、 と誤解されがちですが、そんなにシンプルな話ではありません。
このdeは「数量ゼロのde」と呼んであげるほうが正しく、
先程の例文はまさにその例で、「りんごを持っていない」=りんごの数が0個である、
なので、 Je n’aime pas les pommes. と「りんごが好きか・好きでないか」
ただ「数がゼロとは…?」とちょっと分かりづらい場合もあるので、
しかし、必ずしもそうか?というとまた違います。 Pas de problème. は、「問題ない!ノープロブレム」という意味ですね。
「pas un」の並びを見ると、否定なのにdeじゃないのはおかしい!となってしまう方がいます。それはとても良い反射なのですが、「pas un」は必ずしもおかしいとは言えないのがポイントです。
Elle n’a pas dit un mot. (彼女は一言も発さなかった)Ce n’était pas un échec. (それは失敗ではなかった)
ちなみに冒頭で出てきた Je n’ai pas de pomme(s).という文章。(s)をつけましたが、ここもsをつけるかつけないかで、ちょっとニュアンスが変わったり変わらなかったり。基本的にはsをつける方が圧倒的に多いです。
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