pas un problèmeって言えるの?

文法
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フランス語には「否定のde」というものがありますね。「りんごを一つ持っている」は J’ai une pomme. なのに、「りんごを持っていない」は Je n’ai pas de pomme(s). になります。これは多くの方が学習初期、avoirという動詞を学んだ際に習うことだと思います。この「否定のde」、否定文だからdeをつける、と誤解されがちですが、そんなにシンプルな話ではありません。

このdeは「数量ゼロのde」と呼んであげるほうが正しく、その名の通り、数がゼロのとき、つまりある・ないの「ない」の話をするときにだけ必要になるのです。
先程の例文はまさにその例で、「りんごを持っていない」=りんごの数が0個であるということなのでこのdeが入ります。 Il n’y a pas de photos. Je n’ai pas acheté de pain. なども同様ですね。
なので、 Je n’aime pas les pommes. と「りんごが好きか・好きでないか」の話をする際にこのdeは現れません。好き嫌いの話をする時に数量は関係ありませんからね。同じように、 Je ne suis pas français. も、もちろんdeは入りませんね。
ただ「数がゼロとは…?」とちょっと分かりづらい場合もあるので、ここまでの内容を踏まえてもっと文法的に、「肯定文で不定冠詞・部分冠詞だったものは否定文でdeに変わる」と説明されることもあります。確かにJ’aime les pommes.もJe suis français.も肯定文でも不定冠詞や部分冠詞はでてきていませんよね。

しかし、必ずしもそうか?というとまた違います。  Pas de problème. は、「問題ない!ノープロブレム」という意味ですね。問題がゼロなわけなので、deを用います。しかし、 Ce n’est pas un problème. という文章も存在します。ここでは否定文なのに不定冠詞がそのまま残っていますね。「数量ゼロのde」を用いていないので、つまりそれは数量の話をしているわけではない、ということになります。この文章の訳し方としてはそれは問題ではない」となります。

「pas un」の並びを見ると、否定なのにdeじゃないのはおかしい!となってしまう方がいます。それはとても良い反射なのですが、「pas un」は必ずしもおかしいとは言えないのがポイントです。
Elle n’a pas dit un mot. (彼女は一言も発さなかった)
Ce n’était pas un échec. (それは失敗ではなかった)
ちなみに冒頭で出てきた Je n’ai pas de pomme(s).という文章。(s)をつけましたが、ここもsをつけるかつけないかで、ちょっとニュアンスが変わったり変わらなかったり。基本的にはsをつける方が圧倒的に多いです。

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