家にあったある旅行者用のフランス語単語本を読んでいたら出てきたこの文章。「何がおすすめですか?(直訳:あなたは私に何をおすすめしますか?)」という文章ですが、明らかに違和感を感じます。どこがおかしいか分かりますか?
疑問文の作られ方
フランス語の疑問文の作られ方には3つあります。
1番以外わたしの命名ですが。文法的には①が一番しっかりした疑問文で➂が一番カジュアルです。だからと言って知らない人や目上の人に➂を使わないというわけではないので注意。
「何がおすすめですか?」を上記の3つの疑問文で言うとこうなります。
ということで、「Que vous me recommandez ?」という文章はどれにも当てはまりません。疑問詞Queが一番始めに来ている時点で➀の倒置疑問文でないといけないのに、実際には主語と動詞が平叙文のまま倒置されていないため、正しくない疑問文となっています。
例外の疑問文
でも本当に正しくないのでしょうか?というのも、「あなたの名前はなんですか?」でよく使われる「Comment tu t’appelles ?」、これはこの、疑問詞が文頭に来ていながら主語と動詞の倒置が見られない疑問文のパターンの1つです。そして、このフレーズはとてもよく耳にします。文法的には間違いなのですが、日常会話でかなり頻繁に使用されるため、フランス語の文法ルールにとても厳しい極一部のネイティブ以外はこれを間違いとみなさないかと思います。
かと言ってこの「疑問詞文頭・主語動詞の倒置なし」形がどんな場合でもOKかというとそうでもありません。現に、「Que vous me recommandez ?」 はとっても違和感を覚えます。もちろん意味は通じますが…「Comment tu t’appelles ?」は特殊な例と思ってください。
ちなみに「Ca va ?」という疑問文、こちらは「Est-ce que ça va ?」という➁の言い方で言うことはありますが、➀の「*Va-ça ?」は明らかにおかしいです。また、「Luca est français ?」を「*Est-Luca français ?」ということもできません。主語と動詞を倒置できるのは主語がje、tuなどの人称代名詞の時とceのみです。(※文頭の「*」はこの文章が間違った文章ですよ、という意味で使っています。)
でも「Est-ce bon ?」は言えるのに「*Sont-ce bons ?」とは言えません。この場合は「Sont-ils bons ?」にしなければいけません。なんでやねんって感じですよね。同意です。
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